銀鱗文庫−魚市場に図書館!


■ 銀鱗文庫
東京都中央区築地5-2-1 築地卸売市場内7号館

市場内の食事場所には行列ができて、いつもながら混雑している。
並行する建物の1つに入って2階に上がると、銀鱗文庫があった。
学校の教室1つくらいの大きさの部屋に、書棚が置かれ、本が並んでいる。
魚の本、水産の本、築地の本など、さすがの選書。
NPO法人「 築地魚市場銀鱗会」が運営している。
廊下の並びに、「築地市場協会」と看板がかかった部屋がある。その看板の下にもう1枚、札が下がっていて、「発泡カード取扱所」とある。発泡カードというのがどんなものか、見当がつかない。


■ 歌舞伎座
http://www.kabuki-za.co.jp/

2010年4月は改築前の最終公演。チケットの発売日からインターネットで何度かアクセスしたが、「ただいま混み合っています」の表示がでるばかり。数日たってつながったときには完売だった。
それで当日、一幕見席の発売開始40分ほど前に並んで、ぎりぎり座れた。雨で寒い日だったが、立ち見がでるほどだった。

第1部のはじめが『御名残木挽闇爭(おなごりこびきのだんまり)』。
鳳凰が舞い降りる夢を見た源頼朝が木挽町に神社を建てることを命じる。新築の「柱立て」にかけて、歌舞伎座の新築のごあいさつの舞台になる。
本来は仇うちのストーリーらしいのだけれど、そんなのそっちのけで、祝祭モード。登場人物がだれも華やかな衣装で、ピタリ、ピタリと1場面ごとがスチール写真になるような動きを決めていく。
派手でひたすら明るくおめでたく華やかで、宝塚のような高揚感があった。

2つめが『熊谷陣屋(くまがいじんや)』。
源義経が後白河法皇の落胤である敦盛を救うよう直実に命じていたので、直実は代わりに自分の子の首を敦盛の身代わりにする。
直実が敦盛を討つという平家物語の記述とも、おそらく史実とも変えてまで、子殺しの話にしている。寺子屋の話もそうだが、歌舞伎が子殺しが好きな点にはどうもなじめない。まだしもギリシャ神話の父殺しのほうが哲学的テーマにもつながって、受けとめられる。子殺しは人情に反して過酷だし、武家社会の倫理に忍従するという生き方も、納得しがたい。
直実はその非情な世界を捨てて蓮生と名を変え、僧衣に早変わりして、花道を去ってゆく。でも、そうすると残された妻の相模はあまりにもかわいそうで、子どもは殺されたうえ、夫は勝手に出家してしまう。見ようによってはずいぶん身勝手な話で、なぜこういう話が人気の演目になっているのか不思議だ。

一幕見席の通路。予約なしでも見ることができてありがたかった。新しい歌舞伎座にもこの席は作られるだろうか。

(2010.4月 no.30)
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