日本赤十字にじいろライブラリー +
Rainy Day Bookstore & Cafe


地下鉄広尾駅から出発して、南青山3丁目にあるギャラリーをめざして散歩した。

□ チェコ大使館チェコセンター『チェコっとタイポグラフィ』
東京都渋谷区広尾2-16-14(チェコ共和国大使館内) 
tel. 03-3400-8129

http://tokyo.czechcentres.cz/

地下鉄広尾駅から、聖心女子大学の脇を通って、チェコ大使館に行く。
チェコは僕がしばらく足跡をたどっているアントニン・レーモンドの母国。
ほかに、チェコには、のちに原爆ドームとなる広島県物産陳列館を設計したヤン・レツルという建築家もいた。僕の母校には、かつてレツルが設計した校舎があり、レーモンド設計の校舎もひとつ、僕らが在学中にできた。
それでチェコには何となし親近感があるが、チェコ大使館なんて行ったことがない。
タイポグラフィ展があるというので初めて、大使館に付属するチェコセンターに行ってみた。日本語の説明は少なくて、タイポグラフィに特別な関心があるわけではない身には、とっつきにくいものだった。
2010.10.20の朝日新聞に、チェコセンター所長ペトル・ホリーさんが書いた『日本とチェコを結ぶ建築家』という文章が掲載されていた。チェコから国営テレビのクルーが来日し、レーモンドやレツルの生涯をたどる番組が制作されたが、日本でももっと彼らのことが理解されたいという趣旨であった。
そうした建築家たちの展示や紹介の予定があるか尋ねてみたが、とくにないとのことだった。

■ 日本赤十字社医療センター にじいろライブラリー
東京都渋谷区広尾4-1-22 tel. 03-3400-1311
http://www.med.jrc.or.jp/index.html

チェコ大使館の前の道を北上して、左側にあるはずの「古書一路」という古書&ギャラリーの店を探したが、行き着かなかった。広尾からずっとウロウロしてきてトイレに行きたくなり、通りの右側に大きな日赤の病院があったので入った。
中に入るとすぐ診察待ちの患者さんが並ぶ光景が広がる−という予想を裏切って、まずきれいな店がいくつもあって、病院らしくない。
レストラン「川菜」、売店「グリーンリーブス モール」、カフェテリア「タリーズコーヒー」、花屋「ラ・ヴィオラ 花長」、本屋「明徳堂」などと並んでいて、大きなホテルのショッピング・ゾーンのよう。
しかも、ただ病院で必要なものを揃えているというおとなしいありようではなく、カフェテリアの店頭では、店員さんが新発売のコーヒーの試飲をすすめていたり、活気がある。
その一角に、患者図書室「にじいろライブラリー」が、書店と並ぶ位置にあった。
こじんまりした部屋に、医学書、闘病記、小説類が置かれている。
病院の図書室としては、こんなところだろうという感じで、さすが日赤というほどの厚みは感じられなかったが、図書室も含めた「病院的でないもの」の様子に驚かされた。
トイレを借り、試飲の小さなカップのコーヒーをちょこっといただいて、体調を整え、次に向かう。

■ Rainy Day Bookstore & Cafe
東京都港区西麻布2-21-28 tel. 03-5485-2134
http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/

さらに北に向かい、首都高速の高架をくぐって狭い路地を抜けていくと、角にRainy Day Bookstore & Cafeがあった。名はきいたことがあるブックカフェで、古書一路が見つからなかったかわりに、思いがけず別の行ってみたいと思っていた店に行き当たった。「捨てる神あれば拾う神あり」ということわざどおり・・・とはちょっと違うか。

1階にスイッチ・パブリッシングという会社があり、地下に本屋&カフェがある。外の庭に面して階段があるので、地下の密室的閉塞感はなく、店の端から光が降りてくるふうで居心地がいい。
椅子の背に本挿しがついている。教会の長椅子で見かけるが、ひとりがけの椅子では見た記憶がない。特注かと思って店員さんにきいたら、やはり教会用で、イギリスだったかから輸入したものとのこと。
スイッチ・パブリッシングが出版している月刊の『SWITCH(スイッチ)』、『COYOTE(コヨーテ)』や単行本を、コーヒーを飲みながら読むことができる。
旅をテーマにしたものが多く、僕には好みの本が並んでいる。
でも、ここではまっていては先に行けないので、コーヒー500円、チーズケーキ350円を味わったところで、店員さんと椅子のことなんか立ち話をして出る。

さらに北上すると、西麻布の交差点から根津美術館の北側にいたる、細いくねくね道がある。ゆるい、自然なカーブを描く道で、もとは川の流れがあったのだろうと思う。(ブラタモリみたいな感想だな...)
前にこのくねくね道を根津美術館に向かって通りかかったとき、
□Library Lounge THESE(ライブラリー ラウンジ テーゼ,港区西麻布2-15-12, http://www.these-jp.com/ )
という店があった。気がかりになっているけれど、ここは日が沈まないと開かない店なので、今日もパス。

広い外苑西通りに出て、青山通り方面に歩く。
ベルコモンズの交差点の手前で左に降りる坂を下ると、今日の目的地のギャラリーがある。

□ ときの忘れもの
東京都港区南青山3-3-3 青山CUBE 1階 tel. 03-3470-2631
http://www.tokinowasuremono.com/

「ときの忘れもの」の画廊主、綿貫不二夫さんは、高崎高校在学中から井上房一郎に私淑した方で、井上房一郎のオッカケをしている僕はしばらく前から話を伺ってきた。
綿貫さんは、高校時代はマンドリン・クラブに所属していた。レーモンド設計の群馬音楽センターで開催される高崎高校マンドリン部の定期演奏会には、今もOBとして参加されている。
井上房一郎の生涯のありようを決定づけたといえる山本鼎との出会いは、軽井沢で互いの別荘が近くにあったことによる。最近、その2つの別荘の所在がわかったことを報告したいと思ったのだが、この日は留守にされていた。
『没後20年 孤高のモダニスト福田勝治写真展』を開催中だった。

麻布や青山では、本屋は「Rainy Day」、画廊は「ときの忘れもの」で、さすがのセンスの名をつけている。

(2011.1月 no.59)
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