川崎市立高津図書館 −円筒分水を見に行く


□ 二ケ領用水久地円筒分水
川崎市の久地(くじ)にある円筒分水は登録有形文化財に指定され、農業土木遺産がこのあたりの地域アイデンティティの拠点になっている。
溝の口駅から歩いて十数分、要所に案内標識があって、迷わずに着いた。

二重の円筒から溢れおちる水は、空と花盛りの桜を映して目に美しい。水音が耳に快い。

この円筒分水は多摩川の水を導く二ケ領用水の途中にあって、4方向の耕地に水を分けている。2011年には、1611年の二ケ領用水竣工から400年、1941年の円筒分水寸工から70年にあたり、川崎で円筒分水サミットを開催するという。

□ 多摩川・二子神社・岡本かの子文学碑・大山街道
散歩道の案内図があるのにしたがって北に向かうと、多摩川にでた。河川敷に降りれば、先日、静嘉堂文庫に行ったあと食事した玉川高島屋が対岸に眺められる。食事しながら川原を見下ろして「あちらは川崎だなあ」などと話していた、その川崎側に立って、今度は食事した建物を見上げている。

[静嘉堂文庫−岩崎弥太郎の遺産]

二子橋の南端あたりで多摩川の土手を川と反対側に降りると二子神社がある。岡本かの子の生誕地に近く、岡本太郎制作の記念碑「誇り」がある。縄文の美にひかれていた岡本太郎にしては、全体がスラリと細く流れるような形が異質な印象がある。

古い大山街道を、出発点の溝の口駅方向へ歩いて戻って行く。ゆらゆらと曲がった道には石を埋め込んである。途中に川崎市立高津図書館があった。

■ 川崎市立高津図書館
神奈川県川崎市高津区溝口4-16-3 tel. 044-822-2413
http://www.library.city.kawasaki.jp/

図書館の正面入口前に岡本かの子の歌碑があった。
国木田独歩の碑もあって、溝口は独歩の代表作「忘れえぬ人々」の書き出しの舞台だという。

用水関係では、
・『稲毛川崎二ケ領用水事績』 山田蔵太郎著 稲毛川崎二ケ領普通水利組合 1930
・『二ケ領用水と円筒分水 時のランドスケープ展』報告書vol.2 川崎のまち資源を考える会 2005
なんていう資料があった。後者は手元に欲しい本で、売価が表示してあるから発行者(川崎のまち資源を考える会)にあとで問い合わせたら、まだ在庫があって、送っていただいた。

□ 川崎市民ミュージアム
神奈川件川崎市中原区等々力1-2 tel. 044-754-4500
http://www.kawasaki-museum.jp/

武蔵小杉駅からバスに乗って、とても久しぶりに川崎市民ミュージアムに行った。

目的は円筒分水の模型!
なのだが、断面に地下の水路を表示して、小刻みな光が動いていくことで水の流れを示している。実際に水が流れていく模型を勝手に想像していたので、ちょっとがっかりだった。

特別展「横山裕一 ネオ漫画の全記録:わたしは時間を描いている」を開催中だった。
『NIWA』の1コマずつをスクリーンに連続投影していた。
「今日は庭を開放してねえんですよ」と庭の主に断られた人たちは、柵が壊れているところからはいりこむ。楳図かずおの漫画みたいに、全体像が見えないまま、不可解な庭迷宮を歩き進んでいく。
そのうち15ページにわたって図書館らしいところが描かれる。書棚は巨大で上のほうは暗くて見えないほど。横に長い本を開くと列車の本で、背の高い本は樹木の本。
飛行機が飛んできて、航空写真がばらまかれる。川の写真があり、河口があり、つないでいくと、巨大な地形図ができあがる。
ドドドドド、ゴオオオオ、ヒュウウウウ、グイーン、バキーンという硬い太い文字に飾られて、庭の探索が続いていく。

□ 荒川知水資料館
東京都北区志茂5-41-1 tel. 03-3902-2271
http://www.ktr.mlit.go.jp/arage/arage_index007.html

多摩川から荒川に向かった。
かつて南武線武蔵小杉から東北線赤羽に行くには、どう乗り継いだらいいか、すぐには思いつかないほどだった。2010年3月から湘南新宿ラインが武蔵小杉駅にとまるようになって、乗り換えなしに30分ほどで着いた。

赤羽駅から歩いて荒川にでる。
隅田川と荒川を分ける赤水門と青水門のあたりをのんびり、うらうらとさまよう。
水辺を歩く散策は、気分が抜けて楽しい。

(2010.4月 no.31)
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参考: