アレクサンドリア図書館−古代巨大図書館の復活


□ 富士フィルムフォトサロン『第3回荒川を撮る会写真展』
http://www.fujifilm.co.jp/photosalon/tokyo/

東京ミッドタウンにある富士フィルムフォトサロンで、埼玉県寄居町にお住まいの岩田省三さんが主宰する「荒川を撮る会」の写真展を見た。会員の人たちが、さすがにいい場所といい時間を見いだして見事な写真を撮っている。展示されている写真の発色も鮮やか。
岩田さんも会場にいて、訪れるひとに荒川の魅力を語っていらした。

□ 森美術館『アイ・ウェイウェイ展』
http://www.mori.art.museum/jp/index.html

アイ・ウェイウェイは、文化大革命で父が田舎に追放されたのに伴って行き、苦労した。のち訪米し、アーティストになった。
作品の対象が、国家とか都市とか建築とか、さらには天体まで、スケールが大きい。
作品には、中国の国土の形を表現したものがいくつも現れる。愛惜の対象でもあり、批判の対象でもあるだろう。表現の根拠としての、生の根拠としての中国。1つのことが善悪、愛憎、表裏など、両面をもっていることが意識されている。

今年、中秋の名月と皆既月食が重なったが、1997年9月17日にも同様の現象があり、その連続写真を撮った作品があった。
箪笥のあちらとこちらに丸い穴をあけた『月の箪笥』と題した作品もあった。移動しながら見ると、円の重なり具合に応じて、三日月だったり、満月だったり、月の満ち欠けのように見えてくる。

● 京とうふ藤野
http://www.kyotofu.co.jp/

ミッドタウンの中の豆腐の店で昼食。ランチは、数種のうどんやどんぶりから、2つを選べる。
厚揚げのステーキ丼と、秋野菜のかき揚げ丼をとった。厚揚げステーキも、秋野菜のかき揚げも、かりっとして歯ごたえがよく、味もなじむ。
今日、10月2日は豆腐の日で、サービスで豆乳か小菓子がデザートにつく。豆乳にしたら、飲みやすい、おいしい豆乳だった。来年も10月2日は豆腐屋さんに行こう。

地下鉄千代田線で乃木坂から国会議事堂前に移動する。
国立国会図書館で、元フランス国立図書館の講演に続く企画があり、今度はアレクサンドリア図書館。


■ アレクサンドリア図書館−古代巨大図書館の復活

1. アレクサンドリア図書館長 イスマイル・セラゲルディン氏の講演「パピルスからPDFへ:よみがえるアレクサンドリア図書館」
2. 対談 長尾国立国会図書館長
アレクサンドリア図書館長 イスマイル・セラゲルディン

古代の巨大図書館の名を冠した Bibliotheca Alexandrina ビブリオシカ・アレクサンドリナが、2002年によみがえった。
古い昔にあった巨大な図書館に想像を刺激され、ひかれるし、それを現代に復活すると、どんなことになるだろう。
と、大きな期待をしていたのだが、松岡正剛が『千夜千冊』第959夜、デレク・フラワー『知識の灯台』のなかでアレクサンドリア図書館についてふれ、とても否定的な評価をしていた。
あれこれ詰めこんだ複合的観光施設で、図書館のデザインがつまらないし、「いまさらながらの科学・技術・歴史・芸術・文学・子供向けなどに分割分断されてしまっている」、1600年ぶりによみがえった21世紀の「知の殿堂」がこんなものでよろしいのか−というのが松岡の論点だ。

松岡正剛に説得力ある文章でそういわれたら、ほとんど肯定するしかない。
でも、現実としてアレクサンドリア図書館はそのようなものとして、その館長としては先を見はるかす大きな理念なり、希望なりがあって、講演で感動的に語られる−という淡い期待を持って聴いたのだが、そういう期待には応えてもらえなかった。
パピルスの頃からの歴史をざっとふりかえって、あとは資料の電子化の話に終始した。
国立国会図書館の問題設定が電子化に重点を置いていたから、その趣旨に応えた講演ではあったわけだが、アレクサンドリア図書館がよみがえったとなると、もっと夢のある、あえていえば破天荒なくらいの話を期待したのだが、無理か。

僕は薄暗い小さな親密な書斎のような図書館もいいが、メガロマニアでもあって、巨大図書館にもひかれる。
ときおり思うのは、陸上競技場やサッカー場を転用した図書館。
空港行政の方針が換わって、地方空港を廃港するようなら、空港を図書館に転換するのもいい。
空港ロビーを転用した巨大な閲覧室で、飛行機が飛ばない滑走路を眺めて読書する。
ときおり外に目をやると、想像の飛行機が高く、遠くに飛び立って行く。
どこかに実現しないだろうか。

講演と対談からいくつか:
・アレクサンドリア図書館は、アメリカの議会図書館とユネスコが推進するワールド・デジタル・ライブラリー(WDL)に参加している。
・WDLでは、検索だけでなく、ブラウジングに力点を置いている。
 アマゾンの「この本を買った人はこういう本も読んでいる」のように、関連情報を表示する。
・Europeanaとの公式な関係はない。
・グーグル検索は英語が上にでてくる。アラビア語や日本語はあと。
・図書館が有効に利用されるには、お金を払っていく必要がある。出版社や著者がダメージを受けないビジネス・モデルを作っていかなくてはならない。
 将来はオンデマンド出版に移行するかもしれない。
・資料のデジタル化は外注ではなく、図書館内でしている。我々は得意。中国より2倍、生産性が高い。
 日本の図書館からも我々に委託していただいても(笑)。

(2009.10月 no.9)
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参考:

  • アレクサンドリア図書館公式日本語サイト
    http://www.bibalex.jp/Japanese/index.htm
  • 『千夜千冊』松岡正剛 第959夜デレク・フラワー『知識の灯台』
    http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0959.html
  • 『甦るアレクサンドリア 地中海文明の中心都市』 ジャン=イヴ・アンプルール/著 ステファーヌ・コンポワン/写真 周藤芳幸/監訳 吉田春美・花輪照子/訳 河出書房新社 1999