熊谷市子ども読書活動推進交流会・齋藤惇夫講演


熊谷市で読書活動に取り組む人たちの交流会が開催された。
(2010.12.01 大里生涯学習センターアスネット)
前段は、読書活動の優れた取り組みにより2010年の文部科学大臣表彰を受けた熊谷市立妻沼小学校と、熊谷市立図書館の、実践内容の報告があった。

後段は、斎藤惇夫さんの講演があった。
斎藤惇夫さんは、福音館の編集を経て、『グリックの冒険』や『ガンバとカワウソの冒険』などの著書がある。
初めに語られたのは、トロント公共図書館の児童部門である少年少女の家」を訪れたときのこと。
日本でも人気になりかけていた『ナルニア国物語』のことになり、そこの司書から「図書館に並べるかどうかで6年間議論した」という話があった。
思わず斎藤さんは「なぜ6年間も?」と尋ねた。
それに対する説明は、「美しい英悟で書かれているかどうか確かめるため」という。
その国の言語のもっとも美しい文を身につけるには、幼い頃が勝負という考え方がもとにある。そのうえ、「すでに数あるファンタジーに、新たに加えて図書館におく価値があるかどうか」も考慮される。
朗読を繰り返し、たぐいまれな英語であり、図書館におくべきと結論したという。
そうした説明のあと、「あなたのなぜ?という質問に対する答えは、子どもたちの本だから」と言われた。
斎藤さんは、自分はそこまで深く考えていなかったか?と自省することになった。

聞く方も強く印象に残るそうした経験談が続いて、子どものための本への熱い思いがこもった、記憶に残るよい講演だった。

(2010.12月 no.54)
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参考:

  • 『理想の児童図書館を求めて トロントの「少年少女の家」』 林侑子 中公新書 1997
  • トロント公共図書館 http://tplfoundation.ca/
    その後に組織変更があって、今は「少年少女の家」という名称・建物は存在しない。