海上の森・夢見る山から愛・地球博


2-4  愛・地球博のみもの
     映像(カナダ館・クロアチア館・オーストラリア館)
     vs実物(イタリア館) 


■ カナダ館

プロデユース:LUNNY LAMBERT IMMERSION
設計:MERRICK ARCHITECTURE 環境システム研究所+菊竹清訓建築設計事務所

[B]広い円形の部屋 と、
[A]そのまわりの廊下の一部 の2つからなる。
多様なルーツをもつ6人のカナダ人の生活を写した映像に、オーロラ、紅葉、雪が降る−などのきれいな映像も加わる。
はじめに[A]で映像を見る。狭い廊下で、壁に映される映像を見るので、狭苦しい感じがする。
次に[B]に移動する。こちらは広い部屋で、前にいた廊下との境の壁がスクリーンになる。
同じ6人だが、別バージョンの映像が映される。
[A]と[B]の境=スクリーンは、薄いネットのようなもので、2段階目に[B]の映像を見るときは、前に見た[A]の映像+次の回に入ってきて廊下で映像を見ている人のシルエットも、ダブって見える。
人の暮らしの様子が重なり、自然の美しい映像が重なり、とても印象が深くなる。
技術的には、格別に高度ということもないのだろうけれど、見せ方がとても洗練されている。
国際博覧会なのに、カナダの大状況の説明はなくて、たった6人の人を映す視点もさえている。

■ クロアチア館

設計:3LHD
こちらも洗練された映像装置で、気持ちがハイになった。
テーマはクロアチアの塩田で、「一滴の水、一粒の塩」。
会場は、たとえていえばプールで、底面にクロアチアから空輸した塩を一面に敷いてある。そこをスクリーンにして、空撮の映像を投影する。
プールを取り囲む観客は鳥の視点で、塩田や、海や、都市の映像をみおろすことになる。
ときおりクロアチアの人が現れて、こちらに笑顔を向け、手を振る。

まずはじめに、塩田の中央の道を歩いて行き、渡った先の床全体が大きなエレベータで、高い位置に上がる−という装置の意外感で驚かせながら、クロアチアの人への親しみをもたせ、また風土にも思いを届かせる。
スタイリッシュで、現代美術のインスタレーションのようでもあり、楽しかった。

■ オーストラリア館

ここでは、高さ8.5mの柱16本に80枚のプラズマスクリーン「データの森」が映しだされていた。横に大きな映像は珍しくないが、ここのは縦長。熱帯魚やラグビーなどの実写映像のほかにアニメも加わり、場面転換のスピードも快適で、よくできた映像だった。
別の部屋には巨大カモノハシの模型があった。

■ イタリア館 

ここには『踊るサテュロス』が展示されていた。
1998年にシチリア島の沖、水深480mの海底から引き揚げられた、酒に酔い、舞い踊る姿のブロンズ像。
両手、右足、尻尾を失っているが、ローマの中央修復研究所が4年かけて修復して、展示できるまでになった。
当初の万国博覧会は、遠い異国の貴重な文化、今までに見たことがない文物を展示し、人々が驚き、声をあげる場だったろうけれど、そういう意味では、これが今回の万博では、もっとも万博らしい出展物だろうと思う。
あるいは、ほとんど唯一といえるかもしれない。
他にマンモスも、そういうものといえなくもないが、かつて人寄せパンダという言葉があったが、今回は人寄せマンモス。
マンモスには行列ができていたが、こちらは、すっと入れた。
もっとも万国博覧会らしい名品なのに、その前に東京国立博物館で展示されてしまっていたのが惜しい。


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