8月第1週(2) 水天宮の花火+日本橋の水天宮


■ 寄居の水天宮祭

寄居の水天宮祭は、1931年(昭和6年)から続いている祭りで、毎年8月の第1土曜日に開催される。
場所は、寄居駅から南に下った正喜橋の少し上流。対岸に鉢形城趾を望む川原。水天宮じたいは、そこから500mほど下流にある。

夜7時から花火が始まるので、6時過ぎ、川の博物館の勤務を終えてから会場に向かうと、人の流れがすごい。
たくさん露天がでているのだが、フライドポテトとか鶏の唐揚げとか、僕の好みからすると脂肪が過剰なので、駅近くまで行って、軽めのツマミとおむすびと発泡酒を調達して、川原にいった。
会場の中心は混んでいるが、中州のほうは余裕があって、岩にゆったり腰かけられた。
川には舟山車が浮いていて、ときおり、ゆらりゆらりと動き出す。
たくさんの提灯が灯っているのが、水に映る。

花火は対岸の鉢形城趾から上がる。腹にひびく音をたてて爆発する大きなのはないが、ほとんど真上で開くので迫力がある。燃えかすが時たますぐ近くに落ちてくる。
発泡酒の冷たい泡の感触を楽しみながら、軽いツマミと夕飯がわりのおむすびを食べる。
始まり頃には明るかった空が、すっかり暗くなる。
花火に差し支えないくらいの弱い川風が心地よい。
あれこれに迫られるようにして閉じて凝っていた気分が、抜けて溶けていくような気がする。
過密でない祭りは気分がいい。




此岸では舟山車がゆらゆら。
彼岸の鉢形城趾からは花火が上がる。
寄居水天宮の花火



■ 日本橋の水天宮
(東京都中央区日本橋蛎殻町2-4-1 tel. 03-3666-7195 )

各地にある水天宮の本宮は福岡県久留米市にある。江戸時代、参勤交代のために江戸屋敷にいる者がお参りができるように江戸屋敷内に祀り、のちに屋敷外の人にも公開されたのが、今の日本橋の水天宮になっている。
水天宮は子授けと安産の御利益があるから、少子化が問題になっている日本社会では存在価値が大きい。

僕も子どもが生まれる前に、家族そろって安産祈願に行ったことがある。
6月第4週に、隅田川を歩いて歌舞伎座に向かう途中、子どもが生まれて以来、初めて水天宮に寄ってみた。

たまたまおなかの大きい女性は見かけなくて、小さい子を連れた家族ばかりだった。無事に赤ちゃんが生まれた親たちが来ているのだから、みんな幸福そうで、なごやかな様子をしている。
思えば、僕らはお礼参りに行かなかったことに気がついた。まったく僕は気がつくのが遅い。遅ればせながらお礼のお参りをした。
日本橋水天宮

● 寿堂京菓子司
(東京都中央区日本橋人形町2-1-4  tel. 03-3666-4804 )

地下鉄水天宮駅と水天宮の間で、ふと店先に鮎が飾ってあるのが目についた。
皿に盛ってあり、生姜まで添えて、見るからに鮎なのだが、京菓子の店。
中に入ってみると、古風な店構えで、木のケースの中に鮎があった。
寄居は鮎でも名高いところで、これも何かの縁と、焼く前の生の形のと、焼いたあとのと、2本買った。1本380円だった。
練り菓子で、すごくリアルにできている。焼く前のは黒く、ぬめっと光る感じまでだしている。焼いたあとのは、こげめまで表現したうえ、生姜まで添えている。
妻は気味が悪いといって、食べるのをためらったくらい。
味はふつうの練り菓子だったが、京菓子の遊び心に感心した。

これが和菓子。 寿堂の和菓子・鮎