1月第2週 五重塔に初詣


■ 映画『五重塔』
前に幸田露伴の『五重塔』のモデルとなった塔の跡を見に行ったことがある。(→[ 2006年10月第3週 路地の2−谷中に露伴の五重塔跡を訪ねる)
その原作に基づき、熊谷でロケをした映画ができて、しばらく見損ねていたのだが、ようやく見た。

原作は実際の塔を建てる話だったが、映画では、熊谷の常光院の発注で、陶器の五重塔を1000本だったか、大量に作るという設定にかえてある。
主人公の陶芸家がデザインした五重塔から、外部委託で型を作る。応援の陶芸家たちが集まってきて、型をつかって多数の土の塔を製作する。
原作では、完成間近になって嵐に襲われる場面がある。文章じたいが吹き荒れているようなみごとな描写で圧倒された。
映画では、嵐にかわってどんな盛り上がりを用意したのだろうと待ちかまえていると、土の塔を作る段階で、昔かたぎの陶芸家に、意見の違う若い陶芸家が子どもっぽい、しかも悪質な妨害をするのだった。
そこまでが映画のヤマで、窯で焼くプロセスはあっさりすんでしまう。
実際の五重塔の建築から、小さなやきものに翻案することはいいとして、話のスケールまで縮んでしまったようで、期待はずれだった。

■ 常光院
埼玉県熊谷市上中条1160
tel.048-522-4084


新年をバルセロナで迎えて初詣に行かずじまいだったので、1月も半ばほどになって、その常光院に初詣に行った。
常光院:熊谷厄除大師 天台宗

平らな田んぼが広がり、ポツポツと人家が混じる地域にあった。
映画ではすっきりと整理してあったが、参道に提灯が並んでいる。
俳句に関心が高い寺で、寺で開いた句会で読まれた句を、横に長い石に刻んであったりする。
俳人・金子兜太の住まいが近く、ここが散歩コースになっていて、ここで詠んだ句が碑に刻まれていた。
  たっぷりと鳴くやつもいる夕ひぐらし 兜太
本堂の裏に回ると小規模な五重塔があった。

参考: