5月第3週(1) 
小川でハワイアンを聞いて『銀河鉄道の夜』へ 


● カフェ・パシフィカ
埼玉県比企郡小川町大塚33-2 tel.0493-72-6900

3月末に開店したばかりのカフェ。
僕はたまたま小川の街を歩いているとき、開店の日に行き当たった。
ふと気配があって何かなと立ち止まってみたら、新しいカフェができていた。開店記念で無料だと誘われて中に入ると、中央の大きなテーブルに盛られた料理が食べ放題。南の国のコーヒーまでいただいて、幸運な日だった。
山崎誠さんはハワイ・フリーク。ハワイについての蓄積をもとに何かしたいと考えていたら、小川でいい空き家を見つけた、これからここを拠点にみんなが元気になるような動きを起こしたいという。
僕などでも一緒に何かできればと思っていたのだが、小川から転勤になってしまい、4月は落ち着かなくて来る機会がなくて、5月半ばすぎにようやくまた来られた。

パシフィカ、表からはふつうの家 パシフィカの中はハワイの家

建物の外観からすると、ごくふつうの小さな民家を店舗に転用したふう。
でも中に入って見上げると、元の家は自然な曲がった材を梁にしていたり、しっかりした意志で作られている。それをハワイの友人の家に招かれたような気分にしてくれる、明るい改装がされている。
ここからハワイの浜辺のように、もっと元気に、もっとにぎやかに、活気があふれてくるように。

■ 小川げんきプラザ
埼玉県比企郡小川町木呂子561 tel. 0493-72-2220
http://www.genki.spec.ed.jp/ogawa/

小川げんきプラザのプラネタリウムが器械も番組も4月にかわった。
新しくする準備には、僕も無川禎久さん、吉場高之さんと関わっていたのだが、新設できたのが上映されるのは初めて見た。
番組の1つはKAGAYAが宮沢賢治の原作から制作した『銀河鉄道の夜』。
構成はやや固苦しいけれど、映像は彩りにあふれ、輝きがある。銀河鉄道の列車は自在に傾きながら動くので、見ているこちらが傾いているようなめまいを覚えることもある。
寝そべるような椅子からドームを見上げているのに、風景を見下ろしているような感じになることもある。
仮想の別世界を旅したという充実感がある。

もうひとつが星座解説の短編。季節ごとにかわる。
今までは全天に星空を映すのは、ワイアー・フレームの、白い点と線による映像だった。1年前にこのプラネタリウムを初めてみたとき、いまどきワイアー・フレーム?と呆れかけたのだが、しだいにこの効果はたいしたものだと気がついた。
ピラミッドの底から視点が北極星に向けてグーと移動したり、向こうから船が近づいてきて、頭上を渡っていく、なんていうときに、とても迫力があって、小学生が団体で見ているときなど、ワー!とか、ブツカル!とか歓声があがった。
ゲーム機で映画のように精密な画面に見なれた子どもたちを興奮させるほどの効果が、映像技術としては素朴なワイアー・フレームの画像にあるのが意外だった。
黒い夜空に星が輝き、音楽も詩的で、遠い想いを誘った。
投影が終わって白い円天上が見えると、あんな近い面に投影されていたのかと驚くくらい、遠くを眺めている感覚があった。
ところがアニメふう色つき映像になって映像が平板に、近くに見えるようになり、迫力は小さくなってしまった。
システムと結びついた番組だったので、小川げんきプラザで投影を終了したら、もうこの番組はどのような形ででも見ることができなくなったのが寂しい。

操作卓は宇宙船の操縦席のように作られた 写真はデジスターという旧システム。重厚長大で、アンプ、dvdの音源、映像処理のパソコンなど、投影を始めるまでに  段階ほどの操作が必要だった。
1年前に異動していったら僕も投影係になっていて、手順を覚えるのに苦労した。場内が真っ暗になってからの操作もあるから、はじめのうち、とても緊張した。
投影後の終了処理にもほぼ同じ数の手順がいる。

いくつものプロジェクター これも旧システムの投影装置。
中央の大きな1つ目レンズからドーム全天に星空を映す。左右2基の3灯式プロジェクターは首をふって映像を映す。奥にもう1つ固定型の3灯式プロジェクターがあり、正面に映像を映す。
1灯のランプ交換だけでも高額だった。

10年前には最先端の装置だったが、コンピュータの世界がそうであるように、複雑大型から簡単小型へ劇的な変化があって、基本操作はパソコン1台ですむようになった。講演会で講師が原稿を置く演台くらいの大きさの操作卓におさまってしまう。映像もプロジェクターに魚眼レンズをつけてドームに拡大投影する。
10年を経て不安定になっていた機器の更新は当然必要なことだったが、ワイアーフレームのわくわくする迫力がよみがえるような技術が進むといいと思う。

参考: