6月第2週(2) 木の香をかぐや  


■ 家具スタジオ木の香
   「夏の千両役者宣言!わびさびアロハ展」

埼玉県比企郡小川町角山216-1 tel. 0493-74-6588
http://www.kinoka.com/kinoka-ogawa.htm

家具スタジオ木の香は、小川町駅の北側、兜川を越えた住宅街にあって、小さな民家を展示場にしている。椅子や机や収納家具など、数人の作家の1つ1つ手作りの(工場生産ではない)家具を展示してある。
そんなスタジオだから、住まいの空間を作る心配りがあちこちに感じられて、目の行く先々で関心してしまう。
玄関先には、古い木の踏み台をおいて花を飾ってあった。もとはふつうの民家なのだが、そんなふうに装われていくことで、とてもすてきな場になっている。

住まいを作ったらその中でどう暮らすか、というのも視点にあるから、家具だけの展示ではなくて、中に暮らす人のための提案もある。
今回はアロハ展。
大量の衣服が吊るされていた。
古い布をつぎはぎして衣服に仕立てたもので、もとは着物やてぬぐいなど、いろんなものに目配りして使っていて、こいのぼりとか大漁旗なんてものも大胆に使っている。
できあがったものはアロハシャツや、ジャケットや、小物では手提げバッグもあった。
男女兼用だし、特定のこういうとき、こういう場面で着るべき服、というのではないニュートラルな感じがいいなと、ちょっと買う気になりかける。
店主の助川宏さんも話しながら楽しそうにあれこれ着てみている。でも助川さんは長身でスタイルがよくて、モデルにもなれそうな人。こういう1点ごとに考えられたオシャレな服は、オシャレが似合う人が着てこそだな−と、思いとどまった。

● わらしべ
埼玉県比企郡小川町大字小川110-1 tel. 0493-74-3013

今日は妻と小川めぐり。
去年の七夕には、妻と、妻の母と、息子と、4人で七夕見物に来た。
わらしべで食事をしようということも楽しみにしていたのだが、店が開く前にみんな空腹に耐えられなくなって、他の店に行ってしまった。
で、ようやく妻と来て、パスタを食べた。
妻はそのうえビールまで。
黒ゴマカステラとイチゴのデザートも仕上げにとてもおいしかった。

■ 古民家ギャラリーかぐや 「林美紀子書展」
埼玉県比企郡滑川町福田1560 tel.0493-63-0012
http://g-kaguya.com/

林美紀子さんの版画作品は浦和の柳沢画廊で幾度か見たことがあるが、書家でもあることは知らずにいた。
紙に墨でかいた書の作品が壁に並んでかかっている。
したたり落ちる墨がひとりでに文字を形づくったかのような、流れるような線。
それがまた言葉としての意味をもっていて、見る者のイメージを広げる。

このギャラリー用の特注作品の月の表札も展示してあった。
「夕月」とか「十五夜」とか、月の諸相が表札型の木に墨の色で彫られている。そのときの月の形が金色に描かれているのもある。
玄関わきに月の時季にあわせて表札をかえるのだという。
「かぐや」というギャラリーを始めた井上正さんの思いつきで、風雅で贅沢なしかけだ。
ギャラリーの表札に使うのでなければ欲しいところだった。

「繊月」(せんげつ)という言葉を、その表札の作品で初めて見た。
あとで漢和辞典をひくと、細くなった月、三日月、同じ意味の言葉に「繊魄」(せんぱく)があると説明されていた。
また見慣れない「魄」という語がでてきて、そちらも見ると、昔、人が死ぬと魂と魄に分かれると考えられていた、魂は天上に、魄は地上にとどまる白い骨のことという。
地上にとどまるほうなのに、なぜか月あるいは月の輪郭の光のない部分のことも「魄」というと説明してある。白い骨のイメージが月につながるのだろうか。

この日は林美紀子さんもちょうどいらした。
柳沢画廊で絵にも名前にもなじんでいたが、初めてお会いして話すことができて、今日もかぐやでは楽しい時間になった。

参考: