2月第3週 夢の島熱帯植物園+第5福竜丸


■ 葛西臨海公園
東京都江戸川区臨海町6丁目 tel. 03-5696-1331
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index026.html

埼玉新聞に連載している『寄居日和』の7回目、貝殻淵の回で、東京湾のことを書こうとして、前に行ったときと様子がかわっているといけないので、確かめるために葛西臨海公園にでかけた。
「西さぎさ」という人工の渚を保護する防波堤の岩の隙間にカキの殻が大量にあったのだが、いくらか量が減ったようだ。
前には「カキの殻を捨てないように」だった注意書きが、「カキの採取禁止」にかわっていた。「採ってもいいけど殻は捨てないでね」から、「カキを採ることがそもそもいけません」に方針が変わったようだ。

■ 東京都夢の島熱帯植物館
東京都江東区夢の島 夢の島公園内 tel. 03-3522-0281
http://www.yumenoshima.jp/index.shtml

近くには何度も来ているのに行きそこねていた熱帯植物館に行った。
鉄骨を組んでガラスで覆った温室の大空間はそれだけで心そそられる。温室の中は温度も湿度も高く、むせるようだ。花や果実の甘い匂いに気持ちがゆるんでうっとりする。
最期のときを選べるとするなら、北の冷たい雪の中がいいか、南の暖かい海がいいか、ときたま思っては悩んでいる。こういう甘い香をかぐと、やはり南の海がいいような気がしてくる。

■ 第五福竜丸展示館
東京都江東区夢の島 夢の島公園内 tel. 03-3521-8494
http://d5f.org/

1954年にビキニ環礁でアメリカの水爆実験で灰を浴び、死者をだしたマグロ漁船「第五福竜丸」が展示されている。ゴミ集積場だった夢の島に放置され、沈没しかけていたところを、気がついた市民の訴えをきっかけに保存運動が起き、かろうじて生き残った。
船尾の梶や、スクリューの取り付け部などまで木造で、存在感がある。

外に出てヨットが並ぶマリーナの方に向かうと、黒い物体に簡素な屋根を架けて展示してあった。
いったん通り過ぎたのだが、離れてから振り返ると、磁力がはたらいてでもいるように、引きつけられる。
戻ってみると第5福竜丸のエンジンだった。他の船に取り付けられて働いたあと和歌山沖に沈んでいたのを引き上げられた。
28年間も海中にあって、灰色をおびた黒い色をして、錆びてあちこち破れている。

船にも、エンジンにも、あらためてモノの持つ力に圧倒され、説得された。文字によって記録を残すこともできるし、言葉や思想が感動を与えることもあるけれど、モノがもつ原初的な力、1次資料の重要さということをあらためて思った。
こんなにも力をもつモノがある!−生きているうちに見られてよかった。


参考: