4月第4週 山椒魚親睦会


埼玉新聞に『寄居日和』を連載していて、4月24日に「サンショウウオ」が掲載になった。
その翌々日、その文章にも記した中里邦夫さんの仲間が集う会があり、僕も参加させてもらった。

■ サンショウウオの里 山椒魚親睦会
新聞のための取材に訪れたのは4月半ばで、庭の中心あたりでソメイヨシノが華やかに咲いて、まさに春が来た!という目覚めるような鮮やかさだった。
それから10日ほどたっていて、春がすすみ、定着して、むしろ眺めは穏やかに落ち着いていた。
中里さんの松山高校での教え子とその家族の方の集まりで、「段々庭」の最上部に近い段に置いたテーブルを囲む。
海苔巻きとお稲荷さんの簡素な弁当。軽いおつまみ。といっても不便な場所でみんな車だから、酒はなくて、お茶のみ。
ゆるやかに語り合って、2時間ほどだったかでお開きになる。
小さな孫を連れてきている人もあって、おじいちゃんを囲む家族の集まりのような穏やかな満足感に満ちていた。
まさに南画ふうの、風雅な、よい場所と時間だった。

■ 家具スタジオ木の香『ポカポカ春の贈り物展』 ナガリ家・ダニー&かほる
埼玉県比企郡小川町角山216-1 tel. 0493-74-6588
http://www.kinoka.com/kinoka-ogawa.htm

イスラエルから来て日本に暮らすダニーさんが木の家具を作っている。
妻のかほるさんは、その家具づくりでできた端材などからアクセサリーを作っている。
家具も装飾品もいいし、余る材料もむだにしないで使い切るという生き方もすてきだと思う。

■ 古民家ギャラリーかぐや『杣雅司展 川杉幸春の詩と共に』
埼玉県比企郡滑川町福田1560 tel. 0493-63-0012
http://g-kaguya.com/

壁には、川杉幸春の詩と、杣雅司(そままさし)の花を描いた絵が並ぶ。
平台には木製の楽器と食器が並んでいた。
作ったのは別な人かと思ったら、同じ人だって。
長い紅梅の箸。梅の枝は折れ曲がっているから、長い材を得ること自体がたいへんとのこと。
楽器は花梨や山桜やヒマラヤ杉を舟のようにえぐって弦を張ってある。木によって色や重さが違う。いくつも欲しくなって困ったが、去年我が暮らしにしてはとんでもない大作(ということは値も高い)を買ったので、とうぶん気持ちを抑えなくてはならない。

□ 古民家ギャラリーかぐや『宮本亮至作品コンサート・かぐやな響き』
オーボエ:辻功(読売日本交響楽団)  ヴィオラ:手塚貴子(東京フィル)コントラバス:樋口誠(読売日本交響楽団) バイオリン:樋口由希子

それからまた数日後、かぐやで開かれたコンサートに行った。
窪田般彌の詩に、宮本亮至が曲をつけ、演奏を指揮しながら、自分でその詩を歌いもする。
会場に入ってまず配られた窪田般彌の詩を見るとそうとう難解で、これに曲をつけたのも退屈で眠くなるかと予想したのだが、そんなことはなかった。宮本さんの話が軽妙で、曲もなめらかに詩の言葉についていて、難解な詩がすっと入ってきたような気がした。これはたいしたことだと思う。
このギャラリーに寄せる『かぐやな響き』という曲もあった。ギャラリーの存在が曲をうみだすことにもなる、文化的生産的信頼関係がいい。