大師山から平泉寺白山神社・福井県立恐竜博物館


 福井県立恐竜博物館 

福井県勝山市村岡町寺尾51-11 勝山市長尾山総合公園内
tel. 0779−88−0001
http://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
設計:黒川紀章建築都市設計事務所
開館:2000年


市街から車で向かうと、田んぼの向こうの森の上に金属卵が輝いている。歩道には恐竜の足跡・・・
長尾山という小さな山全体が公園になっている。恐竜博物館はその一部。広い駐車場に、案内の人が数人でている。茨城県自然史博物館もこんなだったが、駐車場整理に人が必要なほど入場者がある博物館は、全国をみてもいくつもないだろう。

入口は、外からは1階に見えるが、中に入ると、そこは3階で、土地の起伏を生かして奥のほうがさがっている。
楕円空間を、長いエスカレーターで一気に地下1階の底まで降りる。エスカレータで下りながら見上げると、楕円形の天井はガラス窓で、自然光が降ってくる。ドラマチックな感じがする。
(この天井のガラス窓は、外にはガラスの円錐として突き出している。)

降りきったところから、黒いトンネルを抜けて、展示室に入る。
大きくいえば、卵形の空間が3層になっていて、上の層に向かってくるくる回りながら展示を見ていく。動線は、わりと見やすく作られている。
撮影ポイントは1箇所だけ指定というのが寂しいけど、そうでもしないと記念撮影ラッシュになりかねない事情もわかる。

福井では勝山市北谷の手取層から恐竜が発掘されている。
フクイサウルス・テトリエンシスとか。
フクイラプトル・キタダニエンシスとか。
全身が復元されているが、恐竜とはいっても馬より大きい程度の大きさで、中国大陸産の巨大な骨格などと比べて、島国日本のスケールの違いを感じてしまう。









ここでの圧巻は3階の、エントランス棟と展示棟の境にある。
展示室を見下ろすと、暗い=黒い空間に、展示物を照らす点光源が点在している。
それはフランスの国立自然史博物館の達成を思い出させる。黒い闇を生かしていて、繊細で、シックで、ダイナミックで、古典と現代が同居して、ほかに経験したことのない、すばらしい質と規模の空間を作り上げていた。
恐竜博物館は、展示室自体はそれに及ばない。
ところがふりかえってみると、エントランス棟は、白い吹き抜けの楕円空間を長いエスカレーターが入口から底まで貫いていて、黒と白の鮮やかな対比に思わず、おおっ!という感じだった。

 → [ 国立自然史博物館 (パリ) ]


外に出て、入口棟の屋上=庭園にあがる。
円錐2つと、展示棟の銀色卵がスカイラインをつくっている。
エスカレーター上のトップライトになるのと別の、もう1つの円錐は、コンクリート製。透明ガラスの出入り口があるが、閉鎖してある。中をのぞくと、階段があって、レストランに降りられるはずだが、椅子などが積み上げてあり、倉庫状態。大規模建築で、目の届きにくい外れのあたりは、こういう運命になるのを、あちこちで見かける。よく見通して作らないと、かえって侘びしい思いにさせられる。

芝生に置かれたベンチに恐竜が腰掛けている。
暑い日で、ここまで上がってくる人はほとんどなくて、ポツンといる。
緑の芝生、青い空、白い雲、遠くの青い山、ガラスとコンクリートの円錐、銀色卵、孤独な恐竜。
なかなかいい感じだ。







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