赤城山(黒桧山・駒ガ岳)から群馬県立近代美術館・群馬県立歴史博物館


 4  群馬県立歴史博物館 −大高正人


群馬県高崎市綿貫町992-1(群馬の森公園内)
9:30−17
休館:月曜 年末年始 ほか
tel.027-346-5522 fax.027-346-5534
http://www.grekisi.gsn.ed.jp/


音楽、美術と構想を実現した井上房一郎の次の目標は「歴史」であった。
美術館に隣接して、5年後の1979年に開館した。

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大高正人に設計が委託されたいきさつは、磯崎新が書いている。
しかし、すでに磯崎新が設計した、立方体を組んだ特徴ある美術館の隣に接続して博物館を設計するのは、いかにもやりにくそうなことだ。しかも、磯崎の美術館は、すでに相当に注目されていた。
大高正人は、はりあうとかいうのではないが、美術館と博物館を1つの建物のように利用できるように接続しながら、性格の違う建築をどのようなものにするか、たいへん苦労したという。

重視したのは「屋根・石・瓦」。
地元の材料を使うことを重視し、藤岡産の瓦ブリックをうちこんだ外壁、桐生市郊外の沢入(そおり)産の花崗岩を玄関ホールや中庭に使っている。
屋根はアルミニウム瓦棒葺きによる斜め屋根にして、立方体の隣に三角形のボリュームが建った。

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ただ、やはり後発の不利というか、重視した3つの要素は、あまり実際には目にされない。
美術館のほうは、公園の入り口から入ると、まず斜めに突き出したピロティと池が目に入り、展示室の横にあたる部分を眺めながら、入り口に入ることになるから、ほぼ全景を眺めることになる。
ところが博物館は、美術館のすぐ先に開いている三角形の開口部から入ってしまうか、美術館からの連絡通路から入ってしまうので、全体の様子はほとんどわからない。瓦ブリックの外壁を目にすることはないし、重なり合う屋根も、建築雑誌の写真で見ると見事だが、ふつうの観客の視点にはほとんど入らない。











そこで外に出て、建物の横に回ってみると、博物館の外壁は、銀色がかった、金属っぽい輝きをしている。前川國男の建築でよくみるレンガブロックと同様な大きさの矩形が広い壁面を作っている。

公園の芝の広場から見ると、美術館と博物館が、違和感なくつながっていて、その点では、あとの設計者の苦労が実を結んでいるといえると思う。




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井上房一郎は、美術館に美術コレクションを寄贈したように、博物館にはタウトの遺品や、タウトが高崎に滞在中にデザインした工芸品を寄贈している。この博物館や、ときには他の会場も使って展示され、ときおり見る機会がある。




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