榛名山(掃部ケ岳)から竹久夢二伊香保記念館・榛名町歴史民俗資料館



 1  榛名山(掃部ケ岳)から竹久夢二アトリエ 

町営無料駐車場 0:00 伊香保か、高崎か、前橋方面から上がって榛名湖畔に着くと、掃部ケ岳に登る登山口間近の町営駐車場は、オレンジ色の屋根がとても目立つ(目立ちすぎる)「ダイアパレス榛名湖」の裏手(山側)にある。
町営駐車場の隣に国民宿舎榛名吾妻荘があり、そのすぐ先に硯岩・掃部ケ岳への標識があり、登山道に入る。

雑木林の広い斜面を上がっていく。
いったん尾根に上がりきると、右に硯岩、左に掃部ケ岳の分岐になる。
まず右に行って、5分ほどで硯岩(すずりいわ)に着く。

硯岩 1251m 0:20 こんな短時間歩いただけで、こんな景色に出会ってしまっていいのだろうかと戸惑うくらいの絶景。眼下に榛名湖の水面が鈍く輝いていて、正面に端正な榛名富士があり、周囲を外輪山が囲む。
榛名富士は1391mで、硯岩より40m高い。(掃部ケ岳は1448mで、榛名山群中、いちばん高い。)
外輪山には、名前をもつピークがいくつかあるが、どれに登っても展望がよく、しかも全体の地形が、実物大地形模型を眺めるように見渡せる。僕にとってはそれが榛名の大きな魅力だ。
湖上にはボートがいくつか浮かんでいる。

榛名湖。左の富士山型の山が榛名富士。


  山上にて  山村暮鳥

自分は山上の湖がすきだ
自分はそのみなぞこの青空がすきだ
その青空には白銀の月かでてゐる
ひるひなか
その月をめぐつて
魚が二三尾およいでいる
ちやうど自分達のやうだ
おお人間のさびしさは深い








榛名富士 萩原朔太郎

その絶項(いただき)を光らしめ
とがれる松を光らしめ
峰に粉雪けぶる日も
松に花鳥をつけしめよ
ふるさとの山遠々(とほ−−)に
くろずむごとく凍る日に
天景をさへぬきんでて
利根川の上(へ)に光らしめ
祈るがごとく光らしめ


さっきの分岐までいったん戻る。
そこからクマザサの斜面は一本調子の急坂。山道で汗をかくと、日常生活の淀んでいるもの、不透明なものが交換される思いがする。

息をつくために足をとめると、木々の枝先の芽吹きが淡い緑色をして目に快い。
野鳥のさえずりは耳に。
木の間ごしにあれが山頂かと思えたところに上がり着くと、あと0.2kmの案内がある。
そこからは細い尾根の道。両側が背の低いクマザサに縁取られている。
ときおり後ろに見えていた榛名湖は、ますます遠くなり、ほとんど隠れてしまっている。

山頂 0:50


狭い山頂に着く。中央にごつごつした岩があって手頃なベンチになっている。
半面だけ展望があり、榛名神社方面の谷筋、妙義山、浅間山などを眺める。反対側は木が茂っている。

くもり時々晴れという天気情報どおりに、空が、雲と青空に配分されていて、山頂にいる間は、ほんの短い時間日が射しただけで、あとは雲に遮られていた。すっかり汗がひいて、寒いくらいになってくる。

ひとりで高みにいる時間をしばらく味わってから、登った道を戻る。
斜面の道が、思っていたより急だったのだなと気がつく。


「湖畔の宿」記念公園 駐車場に戻ると、そこから「湖畔の宿」記念公園まで0.2kmの遊歩道がある。
昭和初期に流行した「湖畔の宿」は、高峰三枝子歌、佐藤惣之助詞、服部良一作曲。作詞者の手紙で、湖畔というのが榛名湖のことだとわかったという。

竹久夢二アトリエ


記憶や写真をもとに復元されたもの。
1階部分に居間。地下がアトリエ。(地下といっても、地面に埋もれているのではなくて、斜面に沿って建っているので、上の階も、下の階も、1階のようなもの)

左手に榛名湖がある。

1階に玄関があり、6畳の座敷が2つと、眺めのよい廊下(縁)がある。榛名富士と、それを映す榛名湖が真っ正面にある。
急な斜面に建っていて、斜面を固める石組みが、そのまま地下のアトリエにまで続いている。つまり石組みがアトリエ内の斜面側の壁になっている。
それで地下の空間は、1階の半分くらいきりない。
アトリエとしては広いが、外にトイレをくっつけてはあっても台所はなくて、やはり生活できる独立住居ではなかったようだ。

かつては、今、復元されているのより、もう少し山側の高い位置にあったという。
斜面を生かし、石垣を壁にしてしまう構造、シンプルな間取り、居間からの絶景と、魅力のあるアトリエであった。

(幻の杖の神峠) 掃部ケ岳山頂から、同じ道を戻らずに、杖の神峠を経て、「湖畔の宿」記念公園に降りてくる回遊ルートがある。
杖の神峠について、ガイドブックでとても気持ちをそそる文章を読んだことがあり、ずっと気になっていた。(今、どのガイドブックだったか見つけられなくて、はっきりした文章が思い出せない。)
山頂の魅力は見当がつくが、あえて特別に記すほどの峠とはどんなところだろうと、いつか行くのを楽しみにしていて、2000年の7月にようやく行った。
掃部ケ岳の山頂から、左手に榛名湖が見え隠れする快適な尾根道、硯岩に似た好展望の岩場などを通っていく。
ところが、数体の石仏が埋もれるように立っている深い笹原の先に、妙に明るく白っぽい何かが木の間ごしにチラチラ見えたようで、いやな予感がしてきたら、その通り、舗装された車道が現れた。
そのあと湖畔に降りるまでの1時間近い林道が徒労のように感じられて長かった。もっと早くに行くべきだったと悔やんだ。

(今回の山行2003.4.28 写真には2000.7.9、2003.2.27撮影のものもある。)
(経過時間は休憩時間などを含まない。)




冬、氷が張りつめた榛名湖

医者は今年一杯スキーなど
もってのほかと云っていたから
偵察の積りで、そーと榛名に行ってみた。
コンディション上々である。
折角スケート靴を持って行ったから榛名湖で滑った。
ゲレンデから見下した榛名湖はとても滑らかだ。
「ナンモ・スンバラシィ油氷じゃないか」
と靴紐を結ぶ暇さへもどかしく跳び出したのは、よかったが、
交叉点の市電よりもっとがたがたする。
お蔭で足首の関接が、すっかり緩んでしまった。
ただ風が強くて風下には漕がないでも滑れた。

「霧の山稜」 加藤泰三(1911-1944) 平凡社ライブラリー 1998




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