榛名山(掃部ケ岳)から竹久夢二伊香保記念館・榛名町歴史民俗資料館



 4-3  アメリカ西海岸に転がる草と石 


同じ時期、夢二はロサンゼルスの日本語新聞『羅府新報』に「ころころ草」を連載している。(1932.3.17-28)
ころころ草はtumbling weed 又はrolling weed 。 風に吹かれて転がりながら種子をまき散らす。西部劇の、荒れた町のシーンでよく見かける。
生物学的にはヒユ属のアマランサスまたはハゲイトウ。

ハイウエーを垣根に添ふて風に吹かれながらころころところげて行く野生の草をころころ草とはうまく名づけたものだ。風まかせで先に約束でもあるやうに急がしそうに飛んでいるかと思ふと、ぼやんと道端の牧場の垣根に止まって太陽を眺めている。いかにも拘束のない、ミシンを待っているトランプのやうに、しかも少しも影のない長閑な姿が、さすがアメリカだと思はれて取って題にしたわけです。
(前掲「夢二の見たアメリカ」から引用。ミシンはマシン=自動車のこと、トランプは無銭旅行者)

生涯に何度も住まいを変え、あちこちに旅をし、女性との関係もころころしていた竹久夢二にとって、我が身を見るかのようで強い思い入れがあったのだろう。
およそ40年後、アメリカ西海岸では、rolling stoneが自由の1つの象徴になって、そういうタイトルのカウンター・カルチャー誌が創刊されたりする。
ここにも、夢二の先を見通す感覚が現れているみたいだ。


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