雌阿寒岳から釧路市立博物館



 5  釧路フィッシャーマンズワーフ ・ 釧路キャッスルホテル


釧路フィッシャーマンズワーフ
tel. 0154-23-0600
http://www.moo946.com/
毛綱毅曠設計 1989年

釧路キャッスルホテル
北海道釧路市大川町 2-5
tel. 0154-43-2111  fax.0154-42-0318
http://www.castlehotel.jp/index.shtml
毛綱毅曠設計 1987年


釧路駅から南に歩くと幣舞橋(ぬさまいばし)が釧路川にかかっている。
橋の両側に四季をイメージして、船越保武(春)、佐藤忠良(夏)、柳原義達(秋)、本郷新(冬)制作の女性像がある。
舟越−佐藤−柳原というと、美術館や公園などに屋外彫刻を置くときの御三家のようなもので、それにいわば御当地の本郷新が加わっている。作品としてはそれぞれいいのだけれど、こんな寒い土地に防寒着どころではない、薄着以下の女性たちが寒そうで可哀そうという気持ちになってしまう。

駅から歩いていって橋の手前、右側にフィッシャーマンズワーフがある。
釧路キャッスルホテルは、橋を越えた左にあって、両者は橋を挟んで、はす向かいの位置にある。

          ◇          ◇

フィッシャーマンズワーフは、川に面しているのとは反対にある道路側が正面入り口。
道幅いっぱいのところに壁がそそり立ち、部分的に明瞭な配色があって、パリのポンピドーセンターの裏側を思い出した。
中では、いかにも港らしい海産物の店のほかにも、いろいろな業種の店が営業している。ここは、毛綱によれば、市(いち)であり、都市でもある。

都市の原型は市(いち)ですよね。(中略)
市場というのは海からの産物だとか山のもの、つまり他界からの贈り物を扱っているんですよね。
(魔界の建築で都市を撃つ 毛綱毅曠 「新建築」 1984年5月)


正面側から入って川のほうに抜けると岸壁で、「岸壁炉ばた」を営業中。
台風が近づいてはきたが直撃はしなかったようで、空に暗いあやしい雲がでてはいても、今にも降り出しそうな感じではない。
こんな空を眺めながら、岸壁のテントで飲む生ビールはなかなか味わい深そうだけれど、ここの炉ばたは焼いてくれるのではなくて、自分のテーブルで自分で焼くようになっている。連れがあればいいけど、1人で焼いて食べるのは侘びしいし、間がもたない。残念ながら諦める。

対岸からの釧路フィッシャーマンズワーフ
左手奥に北海道立釧路芸術館がある
道路側

川の対岸に回ってみると、フィッシャーマンズワーフは大きな船か、港の倉庫のように長く横たわっている。

          ◇          ◇

釧路キャッスルホテルは、おしゃれで快適だった。
部屋からは、幣舞橋、フィッシャーマンズワーフ、ロータリー、釧路市立美術館が入っている生涯学習センターなどがずらりと見渡せた。(この点は部屋しだい=運しだいかもしれない)
チェックインしたとき、フロントの女性は知的でやさしいひとだった。
チェックアウトのときは若い男性のフロントマンで、遠慮がちに「快適でした」と呟いたら、営業的というのではない、自然な笑顔がすっと顔に浮かんで、こちらももう一度気持ちよくなってしまった。
ホテルのフロントでのことだから、ごく短時間の、ほとんど定型句だけのやりとりだけれど、それだけでもホテルの質の高さが伝わってくるような、とてもいい感じだった。
(といっても、宿泊料金は高くない。山やミュージアムに行く経費がいつも不足状態でいる僕でも、無理なく泊まれるくらいだった。)

この釧路の建物は、川辺に寄ってくる漁船が集まりまた離散していくときに、宇宙的というか、ある一瞬に幻のようにあらわれる都市のイメージなんです。
(水辺の未来バロック 毛綱毅曠 「新建築」 1988年5月)


対岸から見ると、ホテルの後方、左のNHKのビルと、写真中央に見える旧・気象台の塔との間あたりに、母の住む「反住器」と名づけられた住宅がある。

対岸からの釧路キャッスルホテル キャッスルホテル上部

NHKは緑色のおおいがかぶされて工事中、気象台は移転して、ガラスがはずされた窓には板がうちつけてあった。帯広で競馬場を会場にした野外現代美術展デメーテルが開催されていて、これから見に行くのだけれど、釧路でそういう美術展をやれば、ここも会場の1つとして面白い使い方ができそうだと思った。

ホテルの前の川は、すぐ先が釧路港で、海に流れ込んでいる。



TOPこのコースのはじめ|1 雌阿寒岳|2 弟子屈町屈斜路コタンアイヌ民俗資料館
|3 釧路市湿原展望台|4 釧路市立博物館 ・ 釧路市立東中学校
|5 釧路フィッシャーマンズワーフ ・ 釧路キャッスルホテル