雨引山から岩瀬石彫展覧館

 2  岩瀬石彫展覧館  

茨城県西茨城郡岩瀬町亀岡741
9:00−16:00 (ただし個人のアトリエなので不在のこともある。連絡したほうが確実。)
tel.fax. 0296−75−1550
http://www.asahi-net.or.jp/~tq3m-asg/



■ 石を彫る

石彫家・浅賀正治 ( あさがまさじ ) さんが主宰している。
写真でわかるとおり、重機が置かれてたりして、ほとんど工場のようなところ。
過去に制作された完了形の作品が静かに展示してあるミュージアムではない。
展覧館という名づけ方に、今作っているものを見てもらおうという姿勢が現れている。

石彫の制作の様子を初めて見た人は、こういう芸術制作もあるのかと、たいていビックリする。
ノミとハンマーで石を割り、削り、鋭い音を発するグラインダーで表面を削る。
汗、力づく、激しい音。
でもできあがると、作品は微妙なふくらみや、陰影を見せたりもする。魔法のような落差も石彫の魅力だと思う。

戸外の風の中、太陽の下で汗のしずくの跡を石の上に見る。(中略)1つ1つはつらい労力の積み重ねだが心からあふれる感謝を感じる。(中略)千年の対話を過去から未来へ私の力と技、そして感性によって、次の千年へ伝えている。未来の人たちはどんな解読をするのだろうか、と思いをめぐらす時、宇宙飛行士が船の窓から地球を見ているようなシーンを思いえがくからだ。 
(『石との対話』浅賀正治 月刊石材 2004.6 石文社







■ ブルガリアとの国際交流

浅賀さんは、子供たちや、一般の人に、石彫の面白さを教える教室を開くなど、芸術が社会の中で果たす役割について、いろいろな活動を展開されている。

なかでもこの展覧館の最大の特徴は、1994年から続いているブルガリアの石彫家たちを招くアーティストインレジデンス事業で、隔年で夏の間、ブルガリアを代表する石彫家を招いている。
石がもつ、長い年月存在しつづけることの魅力にひかれて名づけられたタイトルは「石彫千年の交流」。

私はブルガリア語を話せない。相手は日本語は不明。それでも石を通した会話コミュニケーションは伝わる。(中略)これは大切な解読ヒントだ。つまり過去の人、四千年も前の石工、石の工人とも対話が出来るという意味でもある。
 (前掲書)

招かれたアーティストは、滞在中に、もちろん制作もし、ブルガリア料理による住民との交流の機会などにも参加する。

ただでさえ、石彫の制作は肉体的にとても厳しいものだが、とくに高原でもなく、海に近いわけでもない茨城の町での真夏の制作はたいへんそうだ。
ブルガリアの気候はどんななのだろう?
あるいは、もともとハードなものだから、これくらいの暑さは、ぜんぜん問題ないのかもしれないが。

ブルガリアでの芸術家の地位はとても高く、人々から尊敬されているのだという。
ブルガリアと日本の文化交流は、広く活発とはいえないが、浅賀さんが継続的な交流を進めてきたことに対し、2004年1月、新ブルガリア大使就任レセプションの機会に,大使から浅賀正治さんに「ブルガリア名誉証書」が授与された。




1994年 ジャティン・ヌリエフ
『 秋 シリーズ四季より 』

1996年 ツバトコ・シロマシキ
『 太陽への提言』


1998年 ミラン・アンドレーフ
『 内心の平穏 (私の中の雷) 』



2000年 イワン・ルセフ
『 Three Stone 』
(作品写真なし)

2002年 スネジャ・スミノバ




浅賀正治 『 新しい希望 』 1998



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