[ 山を歩いて美術館へ] 去りがたかった博物館 : 国立自然史博物館 (フランス)


1 オルセー美術館に落胆する

1987年に新宿の安田火災東郷青児美術館で「グラン・プロジェ」の展覧会があり、大きな衝撃を受けたことがある。パリ市街にいくつもの大規模建築を作ってパリの再生をはかるプロジェクトの、企画案と模型などが展示されていた。
中でも、使われなくなった駅舎を美術館に改造するオルセー美術館の模型には見入ってしまった。
本当に体が熱くなるのを感じながら展示物を見て回り、会場を出て新宿駅に向かう道でも、「すごいものを見てしまった」「パリではすごいことをしている」と興奮が続いていた。
そんなに興奮したのに、10数年もたち、世紀もかわって、ようやくパリに着いた。この足でオルセーの床を踏み、この目で作品を見た。ところが、いくつかの作品を見たところで、意外に冷静でいることに気がついて、おやと思う。展示された作品は確かにすごいのがある。でも、かつてあんなに熱い思いで見たオルセーの空間に半ば拍子抜けのような気分を味わっている。


あのオルセーに来たんだ−とかつての興奮を思い出して意図的に感激しようと試しても、なにか盛り上がらない。
写真などでよく見かけたので、もう、目が慣れてしまったのだろうか。


→1987年の展覧会については[1987年6月6日に安田火災東郷青児美術館で「パリ都市計画グランド・プロジェクト展」を見たこと]参照

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