入笠山から (旧)富士見高原療養所・富士見町高原のミュージアム



 1  入笠山  


マナスル山荘泊



山に行く前日は御所平峠(ごしょだいらとうげ)のマナスル山荘に泊まった。山荘に着くと、入口近くの食堂にこしかけてひと休み。まずお茶をだしていただける。数切れのキュウリがとてもおいしい。
山荘といっても、個室なので、ゆっくり休める。
眠りにつく頃には曇っていたのだけれど、夜中に目を覚ましたときにガラス戸をあけて見上げると、深い夜空に大粒の星々が輝いていた。
寒さに眠気を覚まされて、しばらく眺める。背筋を伸ばして見上げていると、大きな、澄んだ心持ちになってくる。


入笠山
(にゅうかさやま)




翌朝早く、朝日がのぼるのと競うように山頂に向かう。わずか20分くらいの登りで着く。途中にいくらか草木があるが、山頂は広い砂礫の原で、360度の大展望が開ける。
残念ながら雲がかかって八ヶ岳からのご来光は見られない。遠くの五龍岳のあたりにだけ、はっきりした日の光が届いて、白く輝いている。今朝、五龍岳にいる人は幸運だった。
遠くに富士も見えている。



こちらの山塊と向こう側の八ヶ岳の間を、白い雲のひとかたまりが、諏訪湖から小淵沢の方に流れていく。(写真、左から右へ)
西には、北アルプスに向かって、幾重も山並みが連なっている。
濃淡の青い色の重なりがクレーの絵のようだ。

まだマツムシソウが咲いていた。
草の葉には白い霜のふち飾りがつき、茎には露がついている。



ふたたび山荘



山荘に戻る。平地はまだ夏が過ぎたばかりなのに、小屋の前の柱の寒暖計は3度。
中ではストーブで薪が燃えて、パチパチ音をたてて暖かい。
雲が晴れて、朝日が射し込んでくる。
のどかな気持ちでゆっくりと朝食をとる。

このあたりは空気がすんでいて、星があざやかに輝く。この山荘には天体望遠鏡があって、星を観察するために泊まる人も多い。

ふたたび山頂



朝食後、もう一度、山頂に上がってみる。
途中、左手にある、ふっくらした山体は、落葉松の林で、もう少ししたらすごい紅葉になりそうだ。
この山は、日本の中央部山岳地帯のオールスターがそろっているまんなかに頭をつきだしているようなもので、素晴らしい展望をもう一度楽しむ。

南に下れば仏平(ぶっぺい)峠を経て大阿原(おおあわら)湿原にでて、さらに南に向かって登りなおすと釜無山になる。
10年近く前、まだ小さな子どもをつれて、湿原から入笠山に上がったことがあった。そちらのコースもとても短くて、昼近い時間に歩き出したのだが、途中でおなかがすいてきたかなと気になりだすころには、もう着いてしまった。
お湯をわかしてカップヌ−ドルを作り、用意してきたおむすびとで昼食。のんびりと心地よかった。
そのときは夏の8月で、途中の道に、紫の穂状のくがいそうと、短い軸にいくつかの小さな花をつけたうつぼぐさを、たくさん見かけた。


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