大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2003



 4  拠点を構える

番号は公式ガイドブックとガイドマップのもの。


十日町ステージ「越後妻有交流館・キナーレ」
( 3 原広司+アトリエ・ファイ建築研究所 )


妻有郷のなかでの最大の街の、さらにその中心にできた。
コンクリート打ち放し2階建てで、四角い。
中央に大きな中庭があり、水を張ってある。
水の庭を囲む回廊が特徴だが、全体として簡潔で、原広司設計にしては、原的表現がほとんどなくて、無個性的な印象さえある。

回廊にはフリーマーケット楽市楽座が店を開き、明石の湯という入浴施設もある。トリエンナーレの作品もいくつか置かれている。
2階には、織物などの店ときもの歴史館、和装工芸館、体験工房館が並ぶ。

フリーマーケットで売っていたふきみそそば(300円)を買って、水の庭に面したベンチで食べた。
広い水の庭の上は空。開放的で、気分がいい。



松代ステージ「農舞台」まつだい雪国農耕文化村センター
( 112 MVRDV オランダ )


ほとんど現代建築に縁がなかった地域に、ずいぶん大胆な形態の大きな建築が、ほくほく線の松代駅前に作られた。

ほくほく線は1997年に開通。豪雪の山間地域の鉄道は、技術的にも、採算の点でもたいへんそう。
十日町から来る途中で通りかかった美佐島駅は、道ばたの孤立した建物で、国道沿いのレストランかと思ったが、どうも不思議なので寄ってみたら、階段を下りた地下に駅があった。地上には、線路も踏切も信号もない。
松代駅は線路が地上にでていて駅らしいが、どちらに走ってもすぐトンネルに入る。
車が必需品で、1人に1台が常識の地域のことだから、鉄道の駅の日常的重要性は、あまり高くないと思う。それでも駅があり、線路がつながっていて、六日町に、湯沢に、そして東京や新潟に通じているという感覚はあるはずで、やはり駅は大事なポイントだろうと思う。



白い建築から、斜めな足が伸び、屋上にはわけのわからない線が絡み合っている。都会にあっても妙な形の建築である。
でも、ル・コルビュジェのいう近代建築の5原則−ピロティ、屋上庭園、自由な平面、自由な立面、水平連続窓がそのままあてはまっている。白い壁面までがル・コルビュジェ好みだ。
近代建築の5原則がいわれたのが1926年。
それから80年近く経って、遠い日本の雪国に、近代建築の5原則をさらに現代ふうに翻案した建築が登場した。



ル・コルビュジェ「サヴォア邸」


内部の色づかいは、大胆で明快。
トイレに入ると、なかはオレンジ1色。用がすんで出ようとすると、外部に通じるドアと、個室のドアが、色も形もまったく同じで、とまどう。

ここは雪の多い地域。4本の足=柱=通路は先端で黒い口を開けている。2mも3mも雪が積もったとき、どうなるのだろうか。
雪の降ったころに確かめてみなくては。


松之山ステージ 越後松之山「森の学校」キョロロ
( 191 手塚貴晴+由比 )


鉄さびに覆われた箱が横たわっている。長さ160m。
左手に高さ34mの塔があり、上部のガラス窓から外を眺めている人がいるのが見える。
中央あたりにある入口を入って、横長の展示室を往復して、展示を見る。

冬になっても雪の上に塔がでているように設計したという。
低層部は潜水艦のように作ってあり、アクリルの大きな3つの窓からは、外に雪が積もるのが見え、雪を透した光が見えるという。
でも中に入れるのだろうか?というようなことも考えてしまう。



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