宝登山から埼玉県立自然の博物館


埼玉県立自然の博物館

埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1417-1
tel. 0494-66-0404
url. http://www.kumagaya.or.jp/~sizensi


荒川の景勝地・長瀞の岩畳に近く、川原から草むらを上がるとすぐに博物館がみえてくる。

明治になって日本の地質学が誕生してまもなくの頃から、長瀞を含む秩父山系は地質研究の中心のフィールドになっていた。
その地に大正時代に開設された鉱石標本の陳列所を前史にもつこの博物館は、いわば日本地質学の直系の博物館といえる。

現在は動物・植物・地質の3分野がある。
早い時代から野外での観察会を開催したり、直接手で触れて動物ごとの毛皮の感触の違いを確かめられるように有害な薬品を使わないはく製を作っていたり、館内で写真撮影OKだったり、先進的な取り組みをしてきている。

→博物館のコレクションと、長い歴史については、次ページからを参照ください。


博物館の設計は前川国男
前川の建築はレンガ積み状の壁を四角く組み合わせるものが多いが、ここでは背景の山並みを意識したのか、屋根が斜めに傾いている。正面入口や駐車場から入ると見えにくいが、芝生の庭に出ると、メタセコイアの大木に挟まれて、左右2つの展示棟が山の形に穏やかに寄り添っている。

面白いのは、内部の床と壁が、外部と同じレンガのような赤茶色のシックなタイルで作られていて、連続していること。天井も、外の庇にあたる部分から同じ材料とパターンで続いている。
正面入口の壁は、鉄骨を組んだ枠にガラスをはめてあるだけなので、中が狭いと感じれば、鉄骨とガラスを外に1mでも2mでも好きなだけ移動して広げられそう。
(写真:鉄骨の左が博物館の内部。ガラスを隔てた右が屋外。)
街路の途中をたまたまガラスで仕切っただけのような自在な感覚で、博物館の正面だからといって重々しく構えない、ちょっと常識を突き抜けたようなスタイルが珍しい。
エントランスホールで内と外を同時に眺めながら、境のガラス壁がない状態を想像してみると、内と外とがあいまいになり、外側がいつのまにか内側になり、内側がいつのまにか外側になり、メビウスの輪を建築にしたようで、クラクラする。

2階の展示室から見渡したガラス戸越しの庭の風景も、春の新緑、秋の紅葉など、とても美しい。

 → [ 前川国男が設計したミュージアム ]











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| コレクション 1 パレオパラドキシア2 カルカロドン・メガロドン3 ローリング・ストーン
4 大学から標本が漂流する5 タイプ標本6 虫の鎮魂
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