弥山・出雲大社から手銭記念館・松江北堀美術館
+菊竹清訓・高松伸その他の島根のミュージアム



 5  島根の菊竹清訓のミュージアム 
5-3    島根県立美術館    


島根県松江市袖師町1-5
tel.0852−55−4700
http://www2.pref.shimane.jp/sam/


羽田からとんだ飛行機が出雲空港に近づくと、宍道湖があり、湖岸の美術館の屋根が見えた。松江には初めてなのだが、わかりやすい位置にあり、特徴ある屋根なので、すぐそれとわかった。
初めて訪れた者にも、上空からすぐ認められる美術館というのはあまりないだろうと思う。
(出雲平野は、上空からは宍道湖の湖面すれすれのように、平たく見えた。四角い田がずっと続き、家が点在している。豊かな地域だという印象を受けた。)

陸地では、昼前の明るい時間に、対岸から初めて見た。
チタンの屋根が明るく輝いている。
背後の山並みを切らないように、高さを15.5mで抑えている。
日本画の雲のような、あるいは州浜のような、連続した曲線からなる屋根。
1か所、穴があいているのは、ここより東、八束郡東出雲町揖屋(いや)にあると伝えられる、あの世への通り道である黄泉比良坂(よもつひらさか)をイメージしている−などというと、菊竹清訓ではなくて、毛綱毅曠になってしまうが。








冬季は18:30までだが、3月から9月は日没後30分という開館時間の設定もさすが。

美術館も水を意識して作られていて、宍道湖に面する側が全面ガラス。
吹き抜けの空間にかかる屋根は、奥が高く、湖側に低く、波打つように傾いている。
その吹き抜けに常設展ロビーが浮いていて、5つにわかれた展示室につながっている。
展望テラスにも出られて、木のデッキの展望台から宍道湖を見渡せる。
この展望台が、屋根にあいた黄泉比良坂だった。

ここから大橋川を北に越えると、1959年開館の県立博物館があるが、閉じていて、厚く、ごつく、かなり暗い。
美術館は、同じ菊竹清訓の設計により作られ、県立の美術館としては遅く1999年に開館した。開いて、薄く、軽く、流れるようで、明るい。
いろいろな条件が違うにしても、40年の歳月を感じる。
また、これだけの時間をあけて、1人の建築家が、同じ県の博物館と美術館を作るということも珍しいことだと思う。
(菊竹清訓は歴史民俗博物館のコンペにも参加したが、選ばれたのは槇文彦案だった。)

博物館と美術館の中間時期あたり、1980年に田部(たなべ)美術館を設計したが、美術館の大きな屋根の雨の処理は田部美術館と同じだった。屋根の下の端に小さな穴を連続させて、地面に作った排水路に落としている。


→ 田部美術館
→ 菊竹清訓




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