大室山から池田20世紀美術館

大室山 1 海へ、山へ / 2 山にあがる /
池田20世紀美術館
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大室山  2 山にあがる


登り20分、山頂の火口壁1周 20分、下り 15分。
単純な円錐型をした低い山なので、いってしまえばそれだけのこと。
リフトもある。

登る途中で見上げると、一面の枯れ草の上に、あざみの花の枯れたのが点々と突き出している。
下に海が見えていて、その海を、この山の稜線が長い弧を描いて区切っている。
枯れ草の山体はふっくらとした量感がある。こんな斜面にとりついていると、トトロのおなかの上のめいちゃんのようだと、ふと思いついたのだが、山をトトロにたとえるのは許されても、いい年をしてめいちゃんというのは、自分でもあんまり図々しいと思う。(別のところでは星の王子さまなどともいってしまった...)

傾斜は約30度。距離は短くても、さすがに一息では上がれなくて、何度か息をととのえていく。
2月の中旬には、山の草をまるごと焼き尽くす山焼きが行われる。
以前は観光客が見込める春分の日に実施していたが、新しい芽が芽吹いたあとでは草の成長をいためるので時期を早めたという。
山すそから一斉に炎の輪が山頂に向かっていくのは、きっと壮観だろうと想像してみる。

ふつうには長い、苦しい樹林を抜けてから、ようやく展望が開けて、山頂付近が岩だったり、草だったりするのだが、ここでは、いきなり山頂間近の草原だから、おいしいとこどりで得したようでもあるし、あっけなくもある。

山頂に上がると、そこは火口壁の一部で、火口をぐるりと囲んでいて1周できる。
反対側を歩く人が宙に浮いているように見える。
壁のいちばん高い南側から眺めると、海岸が180度以上の広がりで見晴らせる。
熱海方面の海岸線から、三浦半島、房総半島、伊豆七島、すぐ足下には池田20世紀美術館に近い一碧湖など。
地図を見るように地形が見渡せる。まるで実物大の地質模型、縮尺1/1の地図。


大室山は3000年前の1発の噴火でできた山で、単成火山という。小室山など、同じタイプの山が周辺にいくつかあり、東伊豆単成火山群といわれる。
火山活動で噴き出したスコリア(火山砕屑物 (さいせいぶつ))が積み重なってできた山で、スコリア丘という定義もされる。

火口は直径250m、深さ75m。
アメリカに住む光の芸術家ジェームズ・タレルを訪れた人に聞いた話−
壮大な光の装置を作るための理想的な地形を求めて、タレルが自分で飛行機を操縦して探し回り、ようやく見つけたのがローデンクレーターで、そこは火口がきれいに逆円錐型をしている。
タレルにすすめられて火口の底の中央に寝そべって見上げると、青空がべたっと広がっているのではなく、レンズのように自分のほうにふくらんで迫ってきたという。

ところで、ここの火口は観光客向けアーチェリー場になっている。ちょっとなあ...営業をするにしても、何か粋な感じの、記念写真でもとりたくなるようなものにしてくれるといいのにと思う。

リフト終点には売店とトイレがある。山焼きのときは焦げてしまうのだろうか。(まさかそんなことはないだろうけど、どう防ぐのだろう?)
下りもさえぎるもののない展望を楽しみながらおりた。

*他に海沿いに城ヶ崎ピクニカル・コースがある。海に架かる高い吊り橋もあるらしいのだが、時間がなくて行けなかった。次に池田20世紀美術館に行くときは、そちらを歩いてみよう。



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