茶ノ木平・明智平から旧イタリア大使館別荘


 イタリア大使館別荘記念公園 


日光市中宮祠2482
連絡先 (社)日光観光協会tel.0288−54−2496

アントニン・レーモンド設計で1928年竣工。1997年まで使われていたあと、栃木県が購入し、2000年に公園として整備・公開された。


(湖岸からの眺め)


中禅寺湖の東の端、中禅寺温泉バス停から、湖岸の道を南に進むと、旅館や土産物の店が並んでいるが、しだいに静かな道になる。歌ケ浜というきれいな名前の浜からは遊歩道が整備されている。
このあたりにフランス大使館、イギリス大使館の別邸があり、そのあと、イタリア大使館が現れる
第2次大戦前の時期のことだが、このあたりでは、やがて戦うことになる国の大使館が近所づきあいをしていたろうか。
イタリア大使館の設計は、大使デラ・トーレがアントニン・レーモンドに依頼したということなのだが、どういういきさつで、アメリカの建築家に依頼したのだろう。
レーモンドは教会や礼拝堂を設計して宗教関係者と縁が深かったから、政治より、宗教が、初めのつながりだったかもしれない。

遊歩道は、いったん岸から離れかける。
案内に導かれて、記念公園の森のなかの小道を歩いていくと、木の皮でツートンの模様を作った特徴のある建築が目にはいってきた。

  〜〜〜〜〜〜〜〜(湖岸)

   テ  ラ  ス
  食堂 居間 書斎
       ↑
      入口
      (森)

入口を入ると居間で、左に食堂、右に書斎があるが、仕切がない、ほとんど1室空間になっている。
広いテラスが端から端まで通っていて、その先に湖があり、広々とした開放的な眺めを楽しめるように作られている。
2階は、4つの寝室がやはり湖に向かって並んでいて、どの部屋からも湖面を望む。反対側はスリーピング・ポーチというもので、緑の木々から吹いてくる風を受けながらうつらうつらと気持ちよく午睡ができるわけだ。
2,3日、暮らしてみたい。

内部の壁と天井も、杉皮とこけら板を割り竹で押さえて、いろいろな模様を形作っている。
コンクリートや、丸太を組んだログハウスなどに比べ、繊細で、表面的で、触れても固くなく、冷たくなく、軽い心地よい印象を受ける。
両脇の食堂と書斎に、遠く向き合うような具合に石を組んだ暖炉がある。
設計したレーモンドは、図面に「地元の材を配することに妙味がある」と記していたという。




外壁も薄い板材で、冬の低温などで傷まないかと思うのだが、その点の耐久性はあるが、鳥がつつくのには弱くて、補修がいるのだときいた。
この別荘については、設計者レーモンド自身が、長くはもたない建築と思っていたようなのだが、木の建築は設計者の予想を超えるほど強かったことになる。

天井の押さえや、家具の骨組みに竹を多用している。タウトが好んだ材料だ。タウトはあまりレーモンドにいい印象をもっていなかったようなのだが、桂離宮を思わせる壁面の市松模様といい、意外に親近性があるように感じる。 



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