京路戸峠から佐野市立吉澤記念美術館で若冲を見る/
ライシャワーとアントニン・レーモンドと松方家の人々



 2-2  佐野市化石館


栃木県佐野市葛生東1-11-15 TEL 0283(86)33
(吉澤記念美術館)の向かい側
tel. 0283−86−3332
http://www.city.sano.tochigi.jp/kuzuufossil/




吉澤記念美術館から道を隔てた文化センター内には、図書館と化石館がある。
化石館は前に郷土資料室の倉庫だったところを展示室として拡充したもの。

かつて葛生の石灰岩採掘場から発掘された骨が「ネアンデルタールの古型に属する」原人=葛生原人だとされていたが、最近の調査で、もっとずっと新しい、有史時代の人骨や獣骨であると判断された。
化石館では、原人といわれた頃の展示をそのまま残したうえで、現在は否定されていることを説明して、学問の世界では、時間の経過にしたがって判断が変わっていくことがあることも示している。
広い部屋の中央にサイの全体の骨格などの大型の展示、周囲にガラスケースにおさめた小さな展示、細長い部屋には、雛壇状に岩石や鉱物を展示している。ごくおだやかな正統的な展示で、取り立てて驚かすような新奇な展示がなくて、かえって落ち着いてみられる
展示会社のパンフレットにそのまま使えそうな、きらきらピカピカしたのが並んでるのより、よほどいい。


役場周辺の再開発、町おこしの1つとして美術館や化石館が開館した。
同じ2002年6月1日に、美術館からつながる通りのすぐ近くに「葛の里壱番館」という商業施設も開館した。横長に長屋ふうにして、みやげものの店や、軽食の店などが入っている。
開業記念にバンドが出て演奏をしていた。若者たちのにぎやかな演奏を近くに住むらしい人たちが静かにきいていた。
美術館にいたるあちこちに役場の係らしい人たちが出て案内をしているが、混雑するほどの人出はない。
すばらしいコレクションがもっと知られるようになれば、大勢の人が訪れるようになるだろうと思う。

町の中心街から南に向かう道が国道293号に合流するところに葛生原人発掘跡があって、小公園になっている。こちらは化石館のようにはまだ訂正がしてなくて、葛生原人についての説明がそのまま残っている。
少し先の道ばたでは原人像が町に来る人を出迎えている。

原人が否定されても、吉澤コレクションがあって、美術館をつくることができる。葛生に住む人はとても恵まれていると思う。
暮らしている土地に誇れるもの、拠れるものがあることはすばらしい。



(2005年2月28日に、佐野市・田沼町・葛生町が合併しましたが、この文章はその前、2002年6月に書いたものです。)


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