西なぎさから葛西臨海水族園・歌舞伎座


 1  西なぎさ(葛西海浜公園) 



湾岸をヘリコプタで飛ぶ機会があった。平野や山地は何度か飛んだことがあるけれど、湾岸から銀座や日本橋の都心部にまで入っていくのは初めてで、地上で見知った建造物まで上空から判別して見下ろせる眺めに感激してしまった。
葛西の海辺に、ひげ(あるいは越前くらげ)の形をした渚があることにも、驚かされた。そういうのがあることを気がつかずにいたのだが、あとで地図を確認すると、はっきり表示してある。いい眺めが期待できそうで、いつか行ってみようと思った。

10月の晴れた日、六本木の森美術館にダ・ヴィンチ展を見にいくつもりで家をでたのに、あの迷路のような一帯を歩くのがユーウツに感じられて、ヘリから見おろした湾岸に行ってみることにした。
暖かそうな日だし、とても気持ちよさそうだとあたりをつけて方向転換したのだが、大正解だった。
 





東京駅で駅弁を買って、京葉線に乗る。
葛西臨海公園駅を降りて、コンビニで発泡酒を1缶買う。
これだけでひとときの快楽に必要なモノはそろった。

観覧車を右に見ながら公園を抜けて、橋を渡って、西なぎさに入る。
ひらべったい、わずかな陸地が作られている。

谷口吉生設計の展望台を正面に見て座る。
うしろから日があたって、秋なのに、ちょっと熱く感じられるくらい。
でも雲がときおり流れて日射しをさえぎってくれるので、熱くはなりすぎない。
お弁当に発泡酒には、ちょうど手ごろ。
お弁当もおいしいものだった。
カメラが壊れていたので、文字で記すと、

栗おこわ弁当 950円 549kcal
煮物(がんも 蒟蒻 人参) 鱒幽庵焼 玉子焼 烏賊と鱈すり身揚(唐辛子入り) 小豆入すり身の蓮根挟み揚 金平 くらげと柚子酢の物 椎茸煮 銀杏煮

1つ1つをゆっくり味わいながら食べた。
こういう日、こういう時間、こういう状況を人生のしあわせといわなくて何といおう。(ちょっとスケールが小さいか..)
ひとりきりなのが寂しくもあるけど、なにも気をつかわなくていい、自分だけの気分しだいで勝手にできる気楽さも悪くない。
海、日射し、軽い風、谷口の名建築、泡が口の中で心地よくはじける軽い飲み物、小ぶりでおいしい弁当。
こちらにきた選択が正しかったという満足感も加わって、至福だった。









     ◇        ◇

ここは、葛西臨海公園と葛西海浜公園。
陸側、葛西臨海水族園があるほうが葛西臨海公園
2つの人工なぎさが葛西海浜公園

このあたりは、かつて「三枚洲」と呼ばれる遠浅の海で、アサリ漁や、海苔の養殖が営まれ、下町的漁村の風景があるところだった。
都市化や地盤沈下で暮らしも景色もかわり、1970年代の映画で、ひどく荒涼とした街が映し出されていたのを見たような記憶がある。

東京都の事業で、葛西沖約350haを埋め立て、1989年に葛西臨海公園がオープンし、葛西臨海水族園も開園した。
1995年には展望レストハウス「クリスタルビュー」、2001年に観覧車が完成。

人工なぎさは、葛西沖と茨城県の鹿島港から砂を運んで作られた。
「西なぎさ」には、葛西臨海公園から橋があり、歩いていける。
「東なぎさ」は、人が入れない自然保護区域に指定されている。

     ◇        ◇

西なぎさの弧に沿って遊歩道をひとめぐりする。
葛西臨海公園の展望台を正面とすると、左手が都心方面で、今日、行くのをやめた六本木ヒルズの独特の塔も見える。
右手は、東なぎさの先に東京ディズニーランドがある。
弧の先端まで行くと、小さな岩が積まれて道になっているのだが、細かく砕けた牡蠣の貝殻がびっしりすき間を埋めている。
どうしてこんなところに牡蠣があるのか不思議に思ったのだが、あとで調べてみたら、東京湾には牡蠣が生息していて、サンゴ礁みたいに、牡蠣礁というものまであるというのだった。
牡蠣が育つには、いくつもの河川が流れ込む湾が適していて、東京湾はその条件にかなっているが、あいにく雑菌が多くて食べるには適さないという。
それにしても、人工なぎさの先端に細かな粒になって貝殻が散り敷いたようになっているのは何故だかわからないことだ。


東京辰巳国際水泳場 東雲キャナルコート ベイ・ブリッジ 汐留シオサイト 日本橋コレド

(スクロールしながら、はじめ東から西に向かい、ベイ・ブリッジからは北に向かって飛んでいるつもりで見てください)


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