大弛小屋・北奥千丈岳から笛吹川フルーツ公園(山梨フルーツミュージアム)



 2  笛吹川フルーツ公園 (山梨フルーツミュージアム) 


財団法人山梨県公園公社 山梨県笛吹川フルーツ公園
山梨市江曽原1488
  中央自動車道 一宮御坂ICから約30分
  甲府市から国道140号線約30分
  秩父市から国道140号線約90分 (雁坂トンネル経由)
  JR中央本線 山梨市駅下車
   ・タクシーで約7分
   ・徒歩1時間程度 
   ・山梨市営バス 山梨市駅発フルーツ公園行
9:00−17:00 ( 5/1-10/31の土・日・休日は−17:30 )
休館日 水曜日 ( 水曜が祝日のときはその翌日) 年末12/29 - 31
      ただし次の期間は無休 1/1- 3 4/29 - 5/5 7/20 - 8/31
tel. 0553-23-4101  fax. 0553-23-4103
http://www.fuefukigawafp.or.jp/
(設計は長谷川逸子。竣工時は山梨フルーツミュージアムという名称で発表された。)


くだもの広場トロピカル温室くだもの工房という主要な3つの建物がある。(「くだもの広場」も建物で、内部が広場になっている)
くだもの広場とトロピカル温室とは、地下でつながっていて、その地下部分にくだもの館がある。
 

■ くだもの広場
高さ10m、直径55m、床面積1,800u。平べったいガラスドーム。
イベントやコンサート用の空間で、軽食の店もある。
入口を入ると、ドームの日覆いからこぼれてくる光が適度に明るく、明るすぎず、気持ちがいい。今朝は山小屋に寝ていて、夜明け前には冷え込んでふとんに懸命にくるまっていたのだが、一気に南の国のリゾートに来たような落差が楽しい。
外周の通路を下ると、地下のくだもの館を抜けてトロピカル温室に通じている。
 



これで、僕の身体感覚では水平にカメラを構えて写している。中の床も妙に傾いていて、クラクラして面白い。

■ くだもの館
くだものについての博物館。
山梨県の代表的果樹であるぶどうを中心として、果物の歴史的、文化的発展を説明している。なかなかわかりやすく、ほー!という感じでいろんな知識をえられた。
でも展示がまじめすぎる気がする。甘く、おいしく、色も鮮やかな果物のことなのだから、もっと自由に面白がって作ったら、見ていてわくわくする展示ができたのではないか思う。





■ トロピカル温室
くだもの館は地下にあり、その地上部分が熱帯果樹の温室になっている。 






地下のくだもの館から地上の温室に上がっていく階段室は、うすいオレンジ色の筒
高さ20m、スパン30m。
空中回廊やテラスがあり、立体的に果樹林の中を巡る。

外部環境から独立した温室のなかに、さらに冷房をきかせたクールルームという休憩場所があって、フルーツを素材にしたアイスクリームを売っている。
(空中回廊とクールルームは、ドームとは独立して鋼管柱と鉄筋コンクリートで支持されている。)


クールルームからテラスへは空中回廊が導いているのだが、エレベーターもあって、乗ってみたら中はオレンジ一色。
 


■ くだもの工房
地上3階、地下1階の建物を、楕円体のパーゴラが包みこんでいる。種子をおおって保護している殻をイメージしているようだ。

1F 売店
県産ワインのほか、菓子・特産品を販売。

2F
図書室
くだもの関連の書籍を集めているらしいが、開館時間のはずなのに閉まっていて、入れなかった。
ワークショップ
公社主催の各種教室を開催し、趣味のグループに貸し出しするらしいが、今日はどちらもなかった。
たまたま平日に1度行っただけで判断してはいけないかもしれないが、あまり活発でない印象を受けた。廊下の一角に資料が積まれていたりもするし。

市街地からやや遠い立地に無理があるのか。
1階に観光客向けの店があるように、施設全体の性格が曖昧になっているのか。
2階はこういう場所と性格を決めて、機能に応じて部屋割りしている設計が、人が気ままに流れていきにくくしているのか。
 






3F レストラン「ウイステリア」
ガラス張りのレストランの外にテラスがある。甲府盆地や、遠くに富士山を眺められる。コンクリートのテラスには色ガラスの小片が埋めこまれている。
3つのドームは、いずれも外部は白いが、内部で設計者・長谷川逸子が得意の色づかいを楽しんでいる。
温室内のエレベータはオレンジ色だったが、ここのエレベータ内は青一色。
柱にも色を配置してアクセントをつけている。
 



■ ウォーターガーデン
くだもの工房から、ウォーターガーデンを見下ろす。
その3つの池は、くだもの広場、トロピカル温室、くだもの工房という3つのドームの断面の形を模している。
長谷川逸子の設計では、新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)でも、池を見下ろす風景を作っていた。

 

          ◇          ◇

市が整備した公園に、物産館や、フルーツパーク富士屋ホテルなどの民活施設が隣接している。
斜面を利用した広い公園には、遊具のある広場などもあり、小さな子どもを連れた母親や、散歩をしている人に行き会う。
人口が多い地域ではないので、気軽に利用できる人は少ないのが惜しい。
そもそもこの公園全体が、住民のための都市公園なのか、遠くから人を呼ぼうとする観光施設なのか、どっちつかずなところがあるように思える。
狭く限定しないで枠をこえる試みだとすれば、それも面白いが、そういう狙いがうまくいっているのかどうか、一度出かけてみただけでは判断がつかなかった。

それにしても、ここは気持ちのいい場所である。
設計者、長谷川逸子は、「住宅建築はガランドウに、公共建築は原っぱに」という。
確かに、ここの3棟の機能を1つの建物に集約して大きな固い塊の建築を作っていたら、こういうのびやかな公園にはならなかったと思う。
3つのドームに分散したうえで、高さを抑えて透明なガラス壁で覆い、あるいは白い籠で建物をくるむようにして、視線をさえぎらず、風が吹き抜けていくような軽やかさを生みだしている。
それが開けた展望がある斜面にあるから、あちらこちらを歩き回るのがとても開放的な気分で楽しい。





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