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八ヶ岳南西麓の個性的なミュージアム


長坂町郷土資料館

山梨県北巨摩郡長坂町大八田3509-1
  中央本線長坂駅から徒歩20分(車5分)
  中央自動車道長坂ic 3分
9-17
休館:月曜日 祝日の翌日 12/28-1/4
tel.0551-32-6486
http://www.yatsu.gr.jp/ngs/spot/kyoudo.html




いまどきの博物館のイメージといったら、こぎれいな建物。(バブル期に開館したものなら、こぎれいどころか必要以上に豪華)。展示室に入ると、何となく薄暗くて、資料はガラスケースに収まって意味ありげな照明が当てられている。しっかり体系的に並べられた資料と解説が、さあお勉強しなさいと待ちかまえている...

ところがここは大違い。
建物は合併で不用になった農協の事務所の転用。
展示は、縄文から現代に至る全国共通の通史に、地域で発見された資料をあてはめて並べるような、あるいは地元の名物を確認するような、とおりいっぺんのものではない。
地域特有の、面白そうなもの、事件、ひとに注目して調査を進めている。

たとえば信玄の旗掛松事件−武田信玄が旗をかけたという伝承の残る松が1904年の中央本線開業に伴い、SLの煙で枯れたことを裁判に訴え、公害への異議申し立ての初期の事例となったこと。模造紙に手書きした小学生の研究発表も展示されている。
あるいは教育者・堀内柳南のこと−1923年、長坂の清光寺で高原夏期大学を開催し、講師に有島武郎を予定していたが、軽井沢で心中してしまい、芥川竜之介を代役で呼んだりしている。
あるいは上田の信濃自由大学の山梨側の動きのこと。

開業当初はスイッチバックだった長坂駅の模型も作ってあるが、なんと手作り!!
多額の金を使っても訴える力に乏しい展示施設は多い。少ない経費で、ほとんどを手作り感覚で作っていても、これだけの手応えのある内容を提示できる!!
すっかりできあがったもの、解釈されたもの、整理されたものがとりすまして置かれているのではなくて、「こんなものがある」「これは何だろう」という身近な発見や疑問から、知識や関心を広げ、深め、学んでいくことのワクワクする楽しさが潜んでいる。

* 郷土資料館の原点を見せてくれるようなところで、歴史家色川大吉氏が賛辞の言葉を贈り、ミュージアム専門誌「ドーム」にも紹介されている。(2000年4月第49号


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