要害山から山梨県立美術館・山梨県立博物館


要害山は甲府駅北方に位置して、全体が武田信玄一族の山城になっていた。
何度か行ったことがある美術館と、できてまもない博物館に寄り道した。

■ 山梨文化会館

山梨県甲府市北口2-6-10
tel. 055-231-3000

甲府駅北口、にぎやかな市街地から反対側のバス停から、武田神社行きのバスに乗る。バスを待つ間、すぐ近くに異様に重そうな建物があって、見に行った。
甲府に丹下健三設計のかなり知られた建築があったのを思い出したが、こんな駅前にあるというのが、何だか思いがけなかった。
円形の柱がとにかく太い。中にエレベータがあるとか、ただの柱ではないにしても、繊細な広島の平和記念資料館などを思い起こしてみると、ずいぶん印象が違う。
山梨日日新聞社、山梨放送を中心とする山日YBSグループの総括部門が入るビルで、1966年に完成している。



■ 武田神社

甲府市古府中町2611 tel.055-252-2609
http://www.takedajinja.or.jp/

甲斐の国ではなんといっても武田信玄!
ということになるらしいが、その中心地。
甲府駅からほぼ真北に1本道の坂を上りつめて行き当たるところにある。
(右の写真は、神社を背にしてとっている。まっすぐな道の先に甲府駅がある。)
朝まだわりと早い時間なのに観光バスも数台並んで駐車していて、人が多い。
僕はここが終点の乗合バスで来たのだが、神社を見てからさらに先までいくバスに乗り継いで終点の要害まで進んだ。
 





■ 要害山 (770m)

バス停近くに近所の大きな案内図があった。家1軒ごとの位置と戸主名が記してある。県庁所在地の駅からわずかバス30分ほどに、個人情報の保護に敏感になっている世間とは隔絶したような、昔ながらの集落があることに驚いた。

山全体が要害城という山城になっている。
1520年に、武田信玄の父、武田信虎が築いたもので、武田神社の位置に武田氏の首相官邸のようなものがあったが、その後方の山を緊急時の対策本部に仕立てた。

積翠寺温泉の旅館の脇から山道を上がる。
桝形虎口(ますがたこぐち)とか竪堀(たてほり)、堀切(ほりきり)など、防御・攻撃装置が、山の地形を生かしながら作られた跡が今も残っている。
30分ほどで山頂に着くと、長方形の空白が広がっている。
山の姿は離れたところから見るときれいなおむすび型をしているが、登ってみた頂上は、意外に広い長方形の平面だった。
山頂を削って平面の土地を用意したうえで、大きな建物を造ってあったと考えられている。わずかに盛り上がった土塁に囲まれている。
攻めてくる意志を想定して、守ろうとする意志が生まれ、1つの山を戦いのための装置に改造したエネルギーの大きさに圧倒される。
高い位置に築くのもたいへんだったろうが、水を運ぶ、食料を運ぶ、その結果生じたごみや汚水を始末するという、日常的な維持の手間も小さくなかったことだと思う。

今は木がかなり茂っている。
木漏れ日がさす。
伐採して寝かしてある木に腰かけて、駅前の店で買ってきた紫いものあんがはいったパンをかじる。
独特な山頂で、つわものどもの夢の跡の感傷にひたった。 







要害のバス停。うしろ1/4ほどが、小川の上にはみだしている。


■ 山梨県立美術館

甲府市貢川1-4-27 tel. 055-228-3322
http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/

久しぶりに美術館に寄った。
エルンスト・バルラハ(1870-1938)展を開催中だった。
貧困や飢餓や戦争に直面する人を彫刻や版画で表現したが、それは体制批判の一面をもつことになるから、ナチスの非難を浴び、失意のうちに亡くなった。
しばらくブルーノ・タウト(1880-1938)の足跡をたどっていて、タウトは、ナチスに追われた悲運な人と考えていたが、まだしも最後にトルコで活躍の場を得てはいた。
当然のことながら、まったく希望がみえないままで亡くなった人もあるわけで、そうしたアーティストの生涯をあらためて浮かびあがらせるいい展覧会だった。



■ 山梨県立博物館

笛吹市御坂町成田1501-1 tel.055-261-2631
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/

こちらは2005年10月15日に開館した、新しい博物館。
この博物館に関しては、別のホームページ[荒川ゆらり]5月第4週に書いた。


ミュージアム・ショップで「信玄桃」という菓子を土産に買った。
「信玄餅」で有名な菓子屋さんが、また別なのを創り出していた。
桃の甘い香りがしておいしい。
見た目が、傷まで再現して、リアルによくできている。
名前が、自社のヒット作をもじっていて、ユーモアもある。
箱に入っていた紙にあった文章:
『ピーチゼリー入の白餡を小麦粉生地で包んで焼き上げました。
口の中にほんのり広がる桃の香りと甘酸っぱさ、口どけの良さが特徴です。
色、形、パッケージに至るまで、山梨特産の桃に似せているため、農村から出荷されるときの本物の桃を思わせてくれます。
季節に関係なく一年中桃の香りをお楽しみください。』



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