船越水道-八郎潟の生命線

ソラマメの形の八郎潟干拓地をぐるりと水路が囲んでいる。
その南端が海に接するところで、もとは陸地だったのを切り開いて、海と内部の水路とをつないでいて、そのあたりを船越水道という。
眺めとしては、まったく河口で、左右の岸の先端から細い堤防が海に突き出している。

船越水道
写真は河口から内陸方面を振り返って撮る。
橋は国道101号の男鹿大橋。
その下、向こうに、八郎潟と海を区切る防潮水門がかすかに見えている。
大橋の手前、左の水面にある帯状は導流堤。

八郎潟ではもとは琵琶湖に次ぐ面積があった広い水面を、1957年から20年かけて干拓した。土を入れて埋め立てたのではなく、水を出し、土を乾燥させて地面を作った。
防潮水門が日本海からの海水をさえぎり、中の水路の淡水を維持して、干拓地の用水源としている。 また周囲から八郎潟に流れこむ川の水は防潮水門から船越水道を経て日本海に排水される。
八郎潟は海面より4mほど低い。
海水の流入をとめ、川からの水をはきだし、いわば機械仕掛けでバランスをとって、土地と人の暮らしが維持されている。

花と河口 ハマヒルガオ

船越水道の左岸(東側)からの眺めで、左が日本海、右が八郎潟。
流れのなかに導流堤があり、その向こうに右岸の堤防がのびている。
あしもとに咲いているのは(たぶん)ハマヒルガオ。

船越水道の左岸の浜
左岸の堤防から浜の眺め。
堤防にはさまれたところは平たく静止した水面だが、堤防の外側では波が岸に寄せている。
堤防の先端では釣りをしている人たちがいた。

(2011.7)