羅臼川とそのほか知床半島の多くの河口

知床半島は長さが約70kmほどあるが、ほぼ中央部の知床峠あたりでは、東西10kmほどと、細長い。
東の斜里町から国道334号知床横断道路を走って西の羅臼町に向かった。
ずっと森におおわれた中を行くのかと思っていたが、意外に見晴らしが開けたところが長く、気分がいい。
知床峠の駐車場で、雲海に浮かぶ山が見える-と思ったら、国後島だった。
空気がかすんでいて、海が茫洋としている。
国後島は低く長く横たわっていた。
北海道からはこんなに近いのかと実感的に位置関係がわかった。

羅臼川-河口
峠から羅臼側に下ると羅臼町の中心部にでて、羅臼川の河口がある。
岸辺にカモメがたくさんいる。

羅臼川から羅臼岳
上流を振り返れば源流地の羅臼岳(1,660.4m)がある。
河口と源流の山とが、近く明瞭に見える。

羅臼川の港
河口の左岸に港がある。
漁を終えて船が帰ってきた。
魚を軽トラックに移しかえていると、カラスがまとわりついて奪い取ろうとする。
人がいないスキを狙うなんてものではなくて、あからさまに奪いにかかるカラスは初めて見た。

羅臼からは国道335号線を標津に向かった。
ずっと海岸線を行くのだが、次々と細い川に架かる小さな橋を渡る。
知床半島は細長い山脈を海のなかにストン置いたような地形で、広い平地がない。
山に降った雨は、大きな川に集約していくことがないまま谷を下って海に流れこむので、いくつもの川が並ぶことになっているのだろう。

ポン春刈古丹川 ポン春刈古丹橋
たとえばポン春刈古丹川に架かるポン春刈古丹橋。
道の標識には「Ponharukarikotan Bri.」とある。
橋のてすりには「奔春苅古丹橋」と記した銘板がかかっている。「ポン」という音が先にあって、「奔」の字があてられたろうか。

春刈古丹川 春刈古丹橋
さらに南下すると、春刈古丹川にかかる「春刈古丹橋」。
こちらは道の標識には「Shunkarikotan Bri.」とある。
アイヌ語では「shun-kar」は「油を-採る」、「kotan」は集落のことで、サケやマスの油を搾った場所だったといわれている。

(2012.6)