ポー川-クマに注意!

北海道の東のはじは、ざっといって90キロほど海岸線が南北にのびている。
その北端には知床半島、南端には納沙布岬が両腕をさしだすようにつきだしていて、その腕に抱えられるように国後島がある。

野付半島
90キロほどの南北線のなかほどに野付半島(のつけはんとう)がある。 延長28kmもある長い長い砂嘴で、地図で見ると太陽のプロミネンスのようにつきだしていて、よく波にうもれてしまわないものと心細い気がするほど。
地図に誘われて行ってみると、半島の付け根から車が走れる道が先にのびている。 砂嘴のことだから先に人工物があるとも思えないのに、電柱と電線が続いている。(小さなレストハウスと灯台があった。)
砂嘴は弧を描いていて、内側は湿地で独特な植物が生息している。
先端近くまで行くのに車でもちょっとした時間がかかった。
ここから国後島の南西端が近い。
かわった風景だった!というのを堪能してから、野付半島の付け根に戻り、わずかに北にあるポー川の河口に向かった。

標津町歴史民俗資料館
ポー川の河口からわずかに上流あたりはポー川史跡自然公園になっている。 天然記念物標津湿原や、国の史跡・伊茶仁(いちゃに)カリカリウス遺跡などが含まれる。
この遺跡は古い時代の北方民族の文化遺跡で、竪穴住居跡、集落跡、砦跡などが発掘されている。
公園の入口に標津町歴史民俗資料館があり、そうした概要を見る。

ポー川史跡自然公園
外に出ると広い草原があり、散策路がつけられている。
「クマ出没」を警告する看板がある。
前に北海道の山に登ったとき、熊が現われるのがずっと気がかりだったことを思い出した。奥深い山中ばかりではなく、こういう低いところにもいるのかと、登山のときの不気味だった気分がよみがえってきた。

ポー川史跡自然公園
木道を行く。

ポー川史跡自然公園
左右の草原で線状に草が踏まれて土がむき出しになっていて、その左右を結ぶ木道には土が残り、なにかが木道を横切って行ったふうに見える。 クマが通ったろうか?

ポー川河口
ポー川は伊茶仁川と合流したすぐ先でオホーツク海に注ぐ。
細く速い水流が海に向かっていく。
写真の中央よりわずかに右、沖にうっすらと国後島が見えている。

(2012.6)