阿賀野川の左岸の河口には、新潟空港がある。
かつて空港からこの河口を遠望したことがある。
４階が見学デッキで、100円のチケットを買って自動改札から建物の外に出る。
デッキの先端まで行って見はるかすと、右上に浮いて見えるのが阿賀野川の対岸。
いくつかの工場の煙突から煙が上がっていた。
河口では川と海とがぶつかって、白く波立っている。
眺めている間にＪＡＬの伊丹行きが離陸していった。
デッキで小さな子とおかあさんが手を振って見送っていた。

数年後、機会があって河口直近まで来た。
河口から1.5kmほどのところに松浜橋がある。
これはふつうに車や人が渡る橋。
(写真は左岸の土手から上流方向をふりかえって撮ったもの。 )

左岸の土手を河口に向かって進むと、途中で金網の門が閉じられていて、進入禁止の標識がある。
閉じた門の先に、進入灯が並ぶ赤い骨組みが見える。

門から先、左に新潟空港。右に阿賀野川河口。
赤い骨組は河口の半ばくらいまでのびている。
「新潟空港進入灯橋」という名があって、「橋」であるらしいのだが、川を渡って対岸まで行けるわけではない。
河口に向かう道は進入路の手前でさえぎられていて、真下にまでは行けないが、門の手前からでも、低いところを離陸するか着陸するかする飛行機が目の前に見えそう。

でもとくに飛行機の離発着時間を調べずに来た。
しばらくうろうろして待ったが、飛行機は現れなかった。
僕には阿賀野川という名には新潟水俣病のつらいイメージがくっついて感じられるが、今は水銀汚染は除かれ、安全になっているらしい。

(2009.12/2014.5)