神通川-1.運河
- 源流:川上岳(岐阜県高山市、下呂市)
- 河口:富山湾
- 延長:120km
神通川の河口では、並行して5キロほどの長さの富岩運河がある。
その運河の右岸に富山港展望台があり、最上階はガラス張りで四方が見える。
河口を広く見わたせるこういう高所があるのはうれしい。
中州状の細い帯の先端に石油備蓄基地らしいものがあり、タンカーが停泊している。 その向こう側が神通川で、こちら側の水は富岩運河。 こんなふうに神通川の河口は人工物ばかり。
展望室の反対側にまわると、足下に岩瀬という集落の町並。
遠くには立山連峰があり、5月末にまだ雪が白く残っている。
富岩運河の南端は富山駅から歩いて数分のところで、水辺が公園になっている。 駅から歩いていくと水のある風景がひらけてきて、青い空、青い水面、やわらかな日差し。
こんな日に水辺を歩くと気持ちが晴れ晴れしてくる。
運河を船で行く[富岩水上ライン]というのがあり、乗ってみた。
下っていくと中島閘門(こうもん)がある。
上流部のほうが下流部より水位が高いので、ここが「水のエレベーター」になっている。
船が2枚の水門に区切られたところに入ると、下流側の水門を開く。
区画内の水が吐き出されて水位が下がる。
船から見える両岸の景色がしだいにせり上がっていき、
おりきると壁きり見えなくなる。
船はいったん区画から下流側に出て、向きをかえてまた区画に入る。
下流側の水門を閉じ、上流側の水門を開けると、上流から水が流れ込んできて、また両岸の景色が見えるような位置まで上昇する。
水門の向こうにあるのが操作室で、いったん船を下りて中を見学した。
水門を開閉する操作卓が、かつては小屋の中の大半を占めていたが、今は壁に掛かったコンパクトな装置にかわっている。水門の開閉に電気をつかっているが、かなりな量の水の移動は水門の開閉により自然に流れるだけで、人工的なエネルギーは使われていないのだという。
船を下りてから富山駅の近くにある回転寿司の店に入った。 富山では寿司が(回転寿司でも)おいしいというので、駅から近い店に見当をつけておいた。 指定席をとってある北陸新幹線にあわせて30分ほど、富山湾名物の白海老など、急ぎながらたんのうする。
店を出ると 外はまだ明るくて、 日が長い季節の旅はこういうのんびり感も好き。 お酒もハイペースで飲んだので、かすかにクラっとして、いい気分だった。
(2017.5)