谷根川-「青海川」という集落に「谷根川」の河口、とまどう

谷根川河口
JR信越本線の青海川(おうみがわ)駅は、すぐ後ろに海があることで有名で、谷根川(たんねがわ)の河口はその間近にある。 都合よくその両方を見おろせる位置にザ・ホテルシーポートがあり、そこに泊まった。
写真が部屋からの眺め。(ガラス窓ごしなのでややボンヤリ)
写真のほぼ中心に青海川駅があり、そのわずかに下で谷根川が海に流れ出している。
左の高い橋は、国道8号線の米山大橋。
鉄道のトンネルが黒く口を開いている向こうは直江津、富山方面。

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ホテルにチェックインしてから橋と河口に向かった。
ホテルを出て、いったん赤い橋より山側に坂道を降り、降りきったあたりで折り返して海に向かう。
赤い橋の下まで戻ると、「サケの遡上(そじょう)谷根川」の看板があった。 知らずにきたのだったが、サケがあがってくる川らしい。
ゆるい坂道を歩いて行くと青海川駅に着く。

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2つのプラットフォームの間を線路が通っている。
山側のプラットフォームから海側を眺めると、海がすぐ向こうにある。
テレビドラマなどいろんな撮影に登場しているらしい。
このあたりは2007年の中越沖地震の被災地で、なかでも駅周辺は大きな被害を受け、ここの工事が終えて全面復旧になった。

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駅から出て線路に沿って柏崎方向に歩いていくと、海側へ線路をくぐるところがあり、谷根川の河口にでる。
細い流れが海に快適な勢いで流れこんでいる。
この旅では新潟市から南西へ、海岸線をたどっていくつかの河口を見てきた。港になっていたり、そもそも開削工事できた流路だったりした。そんなのもそれぞれに興味深いとしても、自然のままの河口に出会って安らぐ思いがした。
向こうの崖の上に見えているのが、今夜のホテル。

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駅には戻らずに、よさそうな風情にひかれて、川沿いの細い道をさかのぼって歩いた。
谷間のとても狭い平坦地のなかのかなりを占めて数個の円筒が設置されている。 そばに動力装置をおさめるらしい小屋があり、それを囲む金網に「青海川浄水場 柏崎市ガス水道局」という標示があり、「現在この施設は休止しております」という札がかかっていた。
この谷間の集落に水を供給していた施設のようだ。
向こうの白い高架は北陸自動車道。

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またすぐ先が「柏崎さけのふるさと公園」になっている。
北の海から長い距離を移動してサケがかえってきて、日本海岸に達し、谷根川にも入ってくる。
こんな細い川によく行き着くものと、はるかな感嘆の気持ちになる。
公園には、そんな生態などを説明する展示館がある。
その隣に、谷根川に接続する人工の短い流路が作ってあり、サケが遡上する様子が見えるようにしてある。

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ホテルに戻る坂をかなり上がってきて、谷間をふりかえる。
Hの字が立体的に折り曲がって連なっているようなのがサケの遡上を見学する人工流路。
赤い米山大橋の右の橋脚の足もと右に見えているのが、青海川駅の2本のプラットフォームを結ぶ跨線橋。
狭い谷間に青海川の集落があり、水道につかえるほどの川が流れ、河口付近には海をすぐうしろに控える駅。
青海川という地名も現地も魅惑的なところだ。


ただ紛らわしいことに、新潟県内の日本海岸に、ほかに青海川(おうみがわ)と青海(おうみ)駅がある。
青海川駅は、JR信越本線の駅で、所在地は新潟県柏崎市大字青海川。
近くに谷根川の河口がある。(谷根川は、米山山麓の柏崎市谷根から発して、柏崎市青海川で海に入る。)
青海駅は、えちごトキめき鉄道の駅で、所在地は新潟県糸魚川市大字青海。
近くに青海川の河口がある。
鉄道では両駅間は75kmあり、途中の直江津駅で乗り換えになる。 どちらも本数が少なくて、乗り換えが最短ですむときで所要1時間30分くらい。
遠からず青海川と青海駅にも行ってみたい。

(2010.10)