九十九里浜2:作田川-正月の雑煮にハバノリを

-川河口
作田川(さくだがわ、さくたがわ)が、九十九里町で太平洋に流れこんでいる。
右岸に片貝漁港がある。
九十九里浜は、長い長い砂浜で、のんびり景色を眺めるとか、海水浴にはいいが、港には適さない。
片貝漁港は、在日米軍の高射砲射撃演習場の中止に伴う漁業補償金を基金として、作田川河口付近の砂浜を削り掘りしてつくられた。
1962年に開港している。
そんな港を保護するためにか、河口の先を包みこむように堤防が築かれている。
写真は港の右岸から撮っていて、向こうが河口になるが、川が海にとけていく開けた眺めは見られない。

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右岸で、川底に堆積する土砂を浚渫する工事が行われていた

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漁船のほかに、釣り客を乗せる船がいくつかあるようだった。
船の脇に電話番号がかいてあったりする。
僕は釣りはしないのでわからないが、釣り船にしては大きいほうだろうか。かなり沖の遠くまで行けそう。

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片貝漁港周辺は、土地がゆったりしていて、大きな漁協の倉庫などが点在している。
空き地の向こうに見えるのは、2015年にオープンした海の駅九十九里。
その左の武骨な構造物は、津波避難タワー。
このあたりも2011年の東日本大震災で津波被害があった。
2013年に、高さ17m、収容人数150人のタワーが建てられた。
ほかに高い建物がないところだから、上がって景色を眺められるといいのだけれど、ふだんは閉鎖されている。

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海の駅九十九里に行ってみる。
自販機にシンボルキャラクター「くくりん」が描かれている。
波模様の帽子をかぶり、サーフボードをかかえていて、胸とボードに「99」。
横芝光町のシンボルキャラクターは町の名物てんこ盛りだったが、ここでは海のみを表現するいさぎよさ。
設定では、「いわし」と「はまぐり」と「ながらみ」が好き。

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同行した妻には横芝光町出身の友人がいて、「正月にはお雑煮にハバノリを入れて食べるのよ」ときいていたという。 どこかで売っているのに出会えるだろかと思って、それらしい所では探していたのだが、海の駅九十九里にあった。
ハバノリは海辺の岩について葉のような形に育つもので、漢字では「羽葉苔」。
手でかき集め、干して、シート状に整形して商品になる。
かつては採集地近くの家庭でだけ消費される田舎っぽい食材だったらしいのだが、手間がかかるし、大量にとれるものではないので、今では高級食材になり、ハバノリだけ袋入りにしたのは3枚3000円ほどもする。
海苔1枚が1000円!。
ためらってしまうが、ハバノリ1枚分に、カツオ節、青のりなどを加えて、そのまま雑煮にふりかけて食べられるようにした商品がその半額ほどであり(それでも、ただふりかけて食べるだけのものに1500円って、かなりのぜいたく)、それを買って試してみることにした。
「年のはじめにはばのりを食べれば1年中はばを利かすことができる..」と袋の裏面の説明文にある。
近づいてきた来年の正月のお楽しみ。

(2022.12)