天竜川-はるかな遠州灘

天竜川の河口
天竜川の河口は、西が浜松市、東が磐田市になる。
浜松駅前で借りたレンタカーで、浜松側の河口に着いた。
河口をふさぐかのように、砂嘴がせりだしている。
砂嘴の先のほうに近づいていくと、向こうの磐田側には、掛塚灯台と風力発電の風車がある。
川からは海にゆったりと水が流れだし、海からは砂浜に波が繰り返しやってくる。


河口に近づくには堤防の上の車道を走ってきた。
車道の先端あたりで車を置き、歩いて砂浜に降りた。レンタカーで砂地に入って立ち往生するのはヤダナと思ったのだが、4駆らしい車が後ろから追い越して行き、向こうからやって来もして、湿った砂に幾筋ものタイヤ跡が刻まれている。
11月半ば、雨まじりで、風が強く、うっすら寒い。
こんな日にこんなところに何をしに来る人がいるのか不思議だったが、水際に近づいてみると、釣り人とサーファーがいた。

天竜川の河口 砂嘴 有料の遠州大橋を100円払って渡り、対岸の磐田側にも行ってみた。
天竜川が右から流れてきて、左の遠州灘に入る。
浜松側からの砂嘴が、すぐそこまでという感じできている。
海から波が寄せて、砂のへりをなめるようにしてから、白い波頭をみせて折り返していく。
伊良湖岬から御前崎まで海岸線は平板で、島や岬など風をよける地形がなく、本州太平洋岸の、ど真ん中なのに、港がない。
遠州灘にじかに面しているという印象がある。
遠州灘という言葉じたいが、はるかな思いをそそる。

天竜川の河口 釣り人


これは前の写真の中央部やや左、砂嘴の先端部の拡大。
砂嘴といっても意外に高さがあり、釣りの人たちの向こうにサーファーがいるのが、砂嘴に隠れて見えなくなっている。

天竜川の河口 堆砂垣(たいさがき)
天竜川の河口には人工物はないのだが、途中にはダムがいくつもある。
ダムができて砂が運ばれなくなったので、砂浜の海岸線は後退しているらしい。
砂丘の起伏のなかに堆砂垣(たいさがき)がある。砂が積もるようにするしかけという。
ここから30キロほど東には浜岡原発があって、いつかただならぬ影響がここまであるかもしれない。
一見、ありのままの自然な風景のようだが、ひとがいろいろな課題を負わせているようでもある。

(2006.11)