生田川-さかのぼって散歩するうち新幹線駅あり滝あり

生田川河口
ポートアイランドという人工島にある神戸ポートピアホテルに泊まった翌日、ポートライナーに乗って、海を本土側に越えたところの「貿易センター」駅で降りる。
東北方向に数分歩くと、生田川の河口にでる。 阪神高速神戸線の生田川インターチェンジがあり、河口上空をかしっとした高架道路構造物がのびている。

明治時代、しばしば氾濫した生田川の付替工事を請け負ったのは、坂本龍馬の暗殺犯(と思いこんだ人物)を襲撃した加納宗七という人物であるという。 幕府が倒れて犯罪者でなくなると、実務能力に長けた加納は、布引の滝からまっすぐ最短距離1.9kmで海に落ちる新・生田川を短期間でしあげた。 さらに、もとの流路は幅18mの道路にし、その両側を宅地にして分譲した。今の神戸市役所の前の道で、旧・生田川が神戸市街の骨格のひとつとなった。

生田川遊歩道
生田川下流は市街のなかの直線で窮屈な眺めの水路のようなものだろうと予想していた。たしかに川は細く、コンクリートで護岸されているのだが、河口側からさかのぼっていくと気持ちのいい道だった。 小さい公園があったり、遊歩道があったり、明るい。
散歩する人にもずいぶん行き会う。
山に向かうごくゆるやかな上り勾配の道で、視線の先に青い六甲山系を望み、のびやかな気分になる。
(生田川は写真左を向こうからこちらに流れている。)

生田川 新神戸駅をくぐる
JR東海道線と阪急神戸線の線路をくぐったりして、飽きず疲れず35分で新幹線の新神戸駅に行き着いた。
新幹線の線路をくぐる 。
(川は壁の向こうを左から右へ流れている。)

生田川 布引の滝
新神戸駅から北の上流に向かうと、生田川はゆるやかにくねる自然の雰囲気の川になり、道もちょっとしたハイキング道になる。
六甲山系の山に向かうハイカーに混じって道を上がっていく。
まもなく布引の滝の雌滝、さらに少し上がるとこの写真の雄滝がある。
岩肌が、雪が降ったふうに白っぽい。

布引の滝からの海岸眺望
さらに上がると展望台があって、市街の先に海が広がる。
すばらしい好天で、はればれした気分になる。


(2011.1 2019.5)