千代川-砂漠のとなり、陥没注意

鳥取砂丘鳥取砂丘に行った。
砂の起伏ばかりで目が焦点を結ぶものがなくて、距離感が茫漠としてしまう。
海に近い傾斜を上がりきり、てっぺんに立つと、それまで静かだったのに、日本海の波の音がいきなり大きく迫ってきた。


砂丘見物用の駐車場は砂丘の東側にあるが、車でぐるっと砂丘の西にまわりこむと千代川(せんだいがわ)の河口がある。(千代川が運んだ砂が鳥取砂丘を作った。)
河口の右岸は砂丘の西のへりになる。
先端に向かって堰堤が延びていて、両側を柵ではさまれている。
一見、柵の外にも同じように砂地が続いているようだが、堰堤を保護するテトラポットの上部に砂が積もっていて、積もりようでは下にすき間が生じていることがあるらしい。
千代川せんだいがわ 注意書き
注意看板が2本立っていて、「テトラポット周辺の砂は、陥没する恐れがありますので、近づかないでください。」とある。
もう1本は子ども用で、「あぶない 砂の中に落ちて出られなくなることがあるのでここで遊んではいけません。」とある。
雪山の裂け目を雪が覆っているのと同じ状態のようだ。

ここから見る砂丘は、草木が生えているところが多い。
砂地に適した作物を探してらっきょうを作るなど、砂丘を苦労して開拓した歴史があるが、川や港の整備で砂の蓄積が減り、今ではむしろ砂丘であり続けさせるために苦心があるらしい。
波が、河口をさかのぼって、ある線まで押し寄せている。その先の水面は静かで、動きが見えない。海と川とがこんなにきっぱり区分している眺めは珍しい。

(2012.11)