6 クロネコヤマトの「ヤマト運輸」-じゃなくて「大和運輸」の看板が..

映画のロケにつかわれたオートレストラン「鉄剣タロー」とか埼玉カートパークとかがある埼玉県行田市では、ほかにもテレビの『陸王』とか映画『のぼうの城』とかも撮影されている。もともとは歴史のある城下町で、城跡が公園や博物館になってもいて、歴史も現在もなかなか華やか。
ただ街は近代的な発展にはのりそこねたところがあるのだが、かえって通りを歩いていると、寂びた風情に興をそそられることがよくある。

「大和運輸」の看板
ある日、中心的な商店街を歩いていたら、おや!?という看板を見かけた。 「大和運輸」という文字があり、「大和」と「運輸」のあいだに、見なれたクロネコヤマトのロゴマークがある。 黒い猫の親子が左向きに歩いている。 この道はずいぶん前から何度も通っているのに、この看板に気づいていなかった。 僕はクロネコヤマトは「ヤマト運輸」だと思っていたので、もとは「大和運輸」だったことに、ああそうだったのか!という軽い驚きがあった。

調べてみたら「大和運輸」の設立は1919年。
クロネコのロゴマークは1957年から。
「ヤマト運輸」に社名がかわったのは1982年。
この「大和運輸」は、遅くとも1982年以前からあったことになる。
今は、いつ通っても閉まっていて休業しているふうだが、閉めたまま長い年月がたったふうでもない。

ここから道をわずかに北に行くと、行田市の初代市長の住まいと蔵を改装した「カフェ閑居」があったり、東には『陸王』の舞台につかわれた「いさみコーポレーション』の社屋、工場がある。 いろんな訪ねどころがあって案内地図もできているが、「大和運輸」はのってなかった。