能生川-サケとカニ、神社と灯台

新潟県上越地方に、かつて能生(のう)町があったが、2005年に糸魚川市、青海町と新設合併して(新)糸魚川市となった。
旧・能生町の区域には、能生川と能生駅、筒石川と筒石駅と、2川2駅があり、今度の旅で両方を訪ねた。
(筒石川と筒石駅は→[筒石川-地下に駅]

能生川河口
左岸からの能生川河口:
海岸線を国道8号が走っていて、能生川河口には能生大橋が架かっている。
橋より上流部は、護岸整備されているが、下流部は中粒の石が堆積する自然に近い河口のようだ。
サケは数年かけて海を回遊してもとの河口に帰ってくるが、ここが本州最南端の遡上地といわれている。 サケをとることは禁じられているが、遡上期の11月には「能生川サケつかみどり体験」が開催されている。

能生川 遠景
能生川・遠景:
左岸には丘陵地が迫っている。
坂道を上がって丘に上がり、河口を見おろした。
川を横切るのは国道8号の能生大橋。
右岸は平坦地がやや広くあって、住宅や田畑になっている。
(川に沿った平坦地を上流方向にさかのぼると能生駅がある。)
写真の右上のほう、海に突き出した位置に黒い三角おむすびが見えているのは弁天岩。

能生港 厳島神社
弁天岩から:
能生川河口から北東へ1.4kmほどにある弁天岩に行き、河口方面を見かえした風景。
弁天岩は、海底火山から噴出して固まった岩礁で、ゴジラの皮膚みたいに黒くゴツゴツした岩でできている。
小さいし、たいした高さがあるわけではないが、急な階段を上がってみると高所恐怖症の人ならゾゾッとしそうな高度感がある。

能生港灯台
弁天岩(能生港灯台・厳島神社):
弁天岩には、厳島神社という信仰施設と、能生港灯台という実用施設が、共存している。
陸から離れていて、歩く人だけが通れる細い橋があり、神社の参道っぽく赤い欄干が並んでいる。

恋する能生港灯台
恋する灯台:
能生港灯台は「恋する灯台」を名乗っていて、橋のたもとにハート型の絵馬がたくさんかかっていた。

能生駅
能生駅:
河口から800メートルほど上流を、日本海ひすいラインが越えていて、すぐそばに能生駅がある。
頸城トンネル途中の地下にある筒石駅から糸魚川方面に向かう列車に乗ったとすると、トンネルを抜けるとすぐ能生駅があり、すぐ能生川を渡り、またすぐ次のトンネルに入る。
とても厳しい自然条件のなかにある駅だが、河口から向かうと、ずっと川に沿った平坦地で、のどかな印象がある。
駅の近くには能生中学校や新潟県立海洋高等学校といった広い面積を要する施設まである。
(海洋高校の実習に使われていた船が、能生港に近くの公園に置かれて「海の資料館越山丸」として公開されていた。)
能生駅の駅舎は、この前に行った筒石駅と同様に、最小限の機能を確保する箱形の簡素な建物だが、これも筒石駅と同様に、花がたくさん飾られて、あたたかい感じがする。
駅舎の向かい側に自転車置き場があり、その上に大きなカニ!!
ここはカニも名物だった。


(2022.7)