白川・坪井川-奇怪なソフトクリームをめざす

熊本市街から朝早くレンタカーに乗って、白川と坪井川の河口に向かった。
加藤清正が熊本城を築城したとき、坪井川を内堀、白川を外堀に組みこんだ。
白川は阿蘇山を水源としている。上流から運ばれた火山灰が堆積して川底が浅くなり、洪水を起こしやすい。 加藤清正は、合流していた2つの川を、石塘(せきとう)を築いて別に流れるようにした。
2つの川は並行して西に流れて、島原湾に注ぐ。

白川河口
白川に沿った土手の上の道を河口に向かう。
河川敷は広く、ゆったりした眺めになる。
このあたりは坪井川とに挟まれた中州状になっている。 地図でみると田畑がきれいな碁盤目状で、干拓地らしい。
行く手にコブのような突起が見えている。
鳥羽海岸の夫婦岩のような岩が河口の先の海中に突きだしているのか.....
しだいに近づくと、上のほうが白く、なれない人が絞りだして奇怪な形になったソフトクリームみたいと思ったり。
車で走るうち、迫力をもって近づいてきて、ようやく、もしかするとと思いあたってカーナビの画面で白川の先を見ると、海を隔てて雲仙普賢岳があった。


先端部に着くと、防波堤が長く延びている。
こちら側は芦の原。川の対岸は石油タンク。
有明海の向こうには異様で偉容な普賢岳。
富士山が優美な形の貴族とすれば、こちらは削いだような険しさがあって山中の聖のようとでもいうか。 ほかに似たような山を思い浮かばない独特な姿をしている。
(1990年ころ噴火が続き、91年には大規模な火砕流で多くの死者がでた。 僕は白川に行った数年後、普賢岳の裾近くに行って、災害の跡を見た。)

坪井川河口
中州状の土地の先端部を車で北に2キロほど走る。
白川と並行して流れてきて海に注いでいる坪井川河口にでる。
こちらは簡素な港になっていて、小さな船と軽トラックがチラホラ。

白川河口から熊本市街へ
熊本市街へは、また白川の土手上の道を戻った。 車のバックミラーにずっと普賢岳の姿があって、見送られているようだった。

*のちに雲仙岳からの火砕流が流れた水無川の河口に行った。

(2011.1)