紅葉の大郷戸ダム

大郷戸(おおごうと)ダムは、陶芸のまちとして知られる栃木県益子町の南部にある。
丘陵が平地に向かって幾筋か手の指のようにのびていて、そのうちの2本の指の間の付け根の位置にダムがある。
小さなダム湖に蓄えられた水は、丘陵の先の平地に導かれて、すべて農業用水となる。
奥深い高山の急流につくられたダムとは、ずいぶん様子が異なる。
堤体のわきの空き地に車を置いて降りると、どこにダムがあるのか、とまどったほど。

大郷戸ダム
秋の時期のことで、石を積んでできたロックフィルダムの斜面には、上流側も下流側も草が伸び、ススキの穂が日射しを受けて輝いて、ほとんどため池の土手くらいの感じだった。

大郷戸ダム
ダムには水門などは装備されていない。
取水塔が水面に立ち、左岸側に自由越流式の洪水吐(こうずいばき)があるだけ。
ヒューマンスケールのダムという感じで、親しみが湧く。

ダム湖の周囲の木々が、いい具合に黄葉し、紅葉している。
軽く歩いて一周するのに30分ほどだったろうか、晴れた秋の日、青空と、カラフルな木々の葉と、青い水面が、みごとな色合いに重なり合っていた。
ふつうは釣りをする人が多いのらしいけれど、「8月から当面の間釣り禁止」と貼り紙があり、おかげでひっそり静かだった。
今はすっかり葉を落としているけれど、周囲にサクラの木が並んでいた。
次は春に来てみよう。
*大郷戸ダム: 堤高/堤頂長/堤体積 27.7m/150m/128千m3 着工年/完成年 1976年/1986年
 利根川水系の松本川にある→利根川の河口は[利根川-関東と太平洋の往き来]

道の駅ましこ
ダムから北関東自動車道の真岡I.C.に向かう県道257号に、道の駅ましこがある。
低い丘稜に挟まれた平坦地にあり、山々のスカイラインを模した形状に屋根が組まれて、地域の景観を反映させている。
建材も地元産を使って、八溝杉の集成材と、陶芸に関わる土とで、建物を構成している。
内部では、八溝杉の部材が天井に大胆に連続し、大きなガラスの壁面からは、取り囲む山並みを望む。

*道の駅ましこ http://m-mashiko.com/

道の駅ましこ ましこ御膳
道の駅ましこで、レストラン「ましこのごはん」に入ってランチにした。
ましこ御膳というのがあって、栃木県産ローストポーク(右の写真)や、肉を使わない高きびのハンバーグをメインにして、地元産野菜の小品が囲んでいる。
紅葉のダムと、おいしい道の駅とで、いいセットになり、秋の日を楽しんだ。

(2022.11)